ちょっとリアルなトリップモブ3

デジャブ・・・からの19 ページ19

ジーッと安室を凝視するA。

「？？」

今までAにこんなに見られた事がないので安室は戸惑ってしまう。
そして安室から視線を逸らして、先ほどまで男が倒れていた場所を見る。
今Aがいる場所から数メートル先。
全く見ていないのでわからないが、あの状況から安室が男を吹っ飛ばしたとみて間違いない。
ただ・・・

――人って殴られただけであんなに飛ぶんだ。

そう考えるとあの男は大丈夫だろうかと言う心配と、(たぶん)一撃で男を吹っ飛ばした安室が凄いが怖い。略して凄怖(すごこわ)だ。
逮捕され、パトカーが来るまで壁際に連れていかれた男は高木により何とか目を覚ましたようだった。
あれ程豪快に吹っ飛ばされても打撲？だけで大きなけがをしていない男がスゲーと思いながら、なぜだろう。
お腹の底からクツクツと笑いが込み上げてきた。
たぶんいろんなことがありすぎてちょっと壊れ気味だ。
いきなり笑い始めたAに様子を伺っていた安室はもちろん。Aの傍で待機していた千葉や今まで黙っていたコナンまでギョッとした。
普通怖い目にあったら泣くか怖がるかするのが普通だ。
なのに急に笑い出したAが異様に見えた。
怖すぎておかしくなったのかと心配する3人を他所に笑いが止まらないA。
自分でもおかしいとは思うが笑いが止まらない。

「Aお姉さん？・・大丈夫？」

さすがに心配になりコナンが声をかける。
コナンの声に反応しAは視線をコナンに向ける。
安室同様笑いながらだが、コナンを凝視する。
何だか目のやり場に困るコナンに視線を合わせるためAは膝をついた。
近づいた距離で尚凝視されるコナンは物凄く居心地が悪い。
Aの行動がわからない千葉と安室はAを見る。

「犯人はお前だな」

コナンを凝視していたAがいきなり《ガシッ》とコナンの両頬を抓る。

「いひゃいいひゃい」

力強めに抓っている頬は痛いのかコナンは涙目だ。
だが離してやらない。

「刑事たちに私に事情説明するって言ったんだよな？おっかしい〜な〜？私、一言も聞いていない。あれから君に会っていないし？ポアロに来なかったし？メールすらなかったし？なぁ？
最初から私を囮にする気満々だったよな？え？君が裏でこそこそと何かしていることくらい気づいてんだよ。バレないとでも思ったか。こういうどうでもいい時の勘だけは冴えてんだよ。
高卒でバカだけど、バカにすんな」

言うだけ言って勢いよく頬を引っ張ってから離す。

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