42 ページ42
彼の脈が
機械の音となり、響く。
病院のベットに
横たわる人1を眺めていた。
彼は
一体、何物なんだろう？
私をストーカーまがいの
事をしたり、
鎖で繋いでみたり…
かと思えば
サプライズのプレゼントを
くれたり、
優しかったり…
寂しそうだったり。
…人3から話を聞けば
余計わからなくなった。
彼は僕をいじめから
助けてくれた恩人で
憧れの人…と。
「Aさんは、彼の本気で笑った顔を引き出せる唯一無二の存在なんです。」
あなたの前では、
本当の人1さんだと思います。と
彼は呟いていた。
酸素マスクは
彼の呼吸で
曇っては消え、を繰り返している。
「ねえ、目を覚ましてよ」
私にしか溶けない闇ならば
解いてあげるから。
愛をあげるから。
戻ってきて…。
涙が込み上げた時に
ドアをノックする音がした。
「人1君…！」
上質なスーツを身につけた、
上品そうな男性。
「あ…こ…こんにちは…」
男性は、
「初めまして。佐藤と申します。Aさん…ですか？」
と、聞いてきた。
人1の父の友人で、
息子のように思ってきたんだ。と
悲しそうな笑顔で笑った。
「まさか…こんな事になるなんて」
彼は綺麗にセットされた
頭を抱えていた。
「刺されたのが、僕なら良かったのに…」
俯いたまま、
涙を流す佐藤さんは
本当に人1を大事に思っているに
違いない。
「人1！早く目を覚まして。」
あなたを大事に想う人は
たくさん居るよ？
なんで、気づかなかったの…？
みんな、待ってるんだよ？
彼の頬に触れた時、
その瞳から一筋の涙が流れた。
「人1…？」
「人1くん！」
彼はゆっくりと目を開けた。
「A…ありがとう…」
思わず彼の手を握った。
「待ってたよ…人1…」
にっこりと
笑う彼は
とても幸せそうだった。
「A、僕は…君を好きになって良かった。
歪んだ愛仕方しか出来なくて…ごめん。君が、僕なんかのために、側に居てくれたのが幸せだよ…」
私から目をそらして
天井を見つめている。
握り返す、大きな手は
一瞬強く握られた。
「これからも…側に居てほしい。守りたい。今回の事もあるし。だから…」
キミヲ
ツレサリタイ…
一瞬、こちらを見て
ニヤリと笑う彼は
佐藤さんに何かを目で合図している。
嫌な予感がした。
振り返ると
背中にチクリと針で刺される感覚がして
意識を失った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ymh(プロフ) - 匿名さん» 確かにそうですね。しかし、作品が世の中にはたくさんありますから、かぶらない名前というものはかなり難しいと思います。私は、この作品名を変える気はありません。この作品を見つけ、コメントいただきありがとうございます。 (2017年1月2日 2時) (
レス) id: a7ea590300 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 既にある作品の名前を使うのは、あまり良いアイデアだとは思わないのですが…。例え内容が違えども、です。 (2017年1月2日 1時) (レス) id: 721ecacf7e (このIDを非表示/違反報告)
ymh - 鈴さん» ありがとうございます。そう言っていただけると、嬉しいです。頑張って更新しますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2016年11月3日 22時) (レス) id: 99c3310e11 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - めっちゃ感動&ドキドキです！ 毎日仕事前に、更新はまだかまだかと待っています！この小説があるから仕事もガンガン頑張れます！これからも更新頑張ってください (2016年11月3日 20時) (レス) id: 3ef7ca31df (このIDを非表示/違反報告)
ｙｍｈ - ありがとうございます。頑張って更新しますので、引き続きよろしくお願いいたします。 (2016年10月31日 13時) (レス) id: a7ea590300 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ymh | 作成日時：2016年10月4日 5時
