【ヒロアカ】ウチのヒーローアカデミア！第3章！

第85話・星が瞬く夜に照らされる ページ38

　
「それなら面白い話があるわ。弟に話したらすごく喜んでくれたの」

「おお！それではトップバッター、梅雨ちゃんお願いします！」

ドッキドキのハラハラな怪談噺がスタートする。



・・・・・・


ヒュウゥゥゥ…


蒸し暑い夏の夜、少し生ぬるい夜風が吹く森の小高い丘の上に、黒い影の塊がある。

月明かりに照らされると、黒い影がハッキリとした形を現す。

そのうちのひとり、大柄でマントの様な物を羽織っており、顔には複数の穴が空いたマスクを被っている人物がいる。男女の区別がつかないが、体格からして男であることがわかる。

もうひとり、学ランを着ているやや小柄な男の子。
同じく顔にはマスクを着けている。

セーラー服を着ている金髪のツインテールの女の子………そして、身体中がツギハギの黒髪の男。

皆揃って観光…というワケではない。

彼等は敵(ヴィラン)、ヒーローと世間に仇なす者達だ。

「ていうか、これ嫌 可愛くないです」

ツインテールの女の子が顔の半分を覆っているマスクに不満を漏らす。見た目が少々厳ついのがご不満な様だ。

「裏のデザイナー・開発者が設計したんでしょ。
見た目はともかく、理に適ってるハズだよ」

学ランの男の子がどうでも良さげにそう返す。

「そんなこと聞いてないです。可愛くないって話です」

「どうでもいいから早くやらせろ ワクワクが止まんねえよ(ゴキ、バキ)」

「黙ってろイカレ野郎共 まだだ…決行は…10人全員揃ってからだ」


ザッ…


「おまたーー」

「仕事…仕事…」

そこに加わる新たな三人。

ひとりはサングラスを掛けた大柄な男。口調からしてオカマである。

仕事と呟く口が開いてる以外は全身が拘束されている明らかにヤバい人間。

目元に布のマスクを着けてるトカゲ風の男…服装がステインを意識されてるので、恐らく彼に感化された一人だろう。

「威勢だけのチンピラをいくら集めたところでリスクが増えるだけだ。
やるなら経験(・・)豊富な少数精鋭…まずは思い知らせろ、てめェらの平穏は俺たちの掌の上だということを」

冷めた目で合宿施設を見下ろすツギハギの男。

その手には小瓶が握られており、星のカケラがキラキラと瞬いている。

ツギハギの男…もとい、荼毘はその中から青い星をひとつ取り出し飲み込んだ。

「なんですかそれ、キラキラしてカァイイですねえ！私も欲しいです！」

「断る」

ケチっ！と女の子が叫ぶのを無視し、荼毘は小瓶をポケットに仕舞った。


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