槿花一朝 Ⅱ ［呪術廻戦］ (ページ11)

今日:46 hit、昨日:6 hit、合計:298,947 hit

57 ページ11

.

「ゴミ捨ててくる」

『うん、ありがと』

アイツら、押しかけておいてゴミ放ったらかしで帰りやがった

袋にゴミをまとめ、外のゴミ箱に捨て部屋に戻るとAの姿が見えない

「A？ …！」

声をかけながらベッドに向かうと横になりスースーと寝息を立てるA

Aが使っていたベッドに行こうかと思ったが、覗くと虎杖達が荷物を置いたままで、どう見ても使える状態ではなかった

「…怒るなよ」

渋々同じベッドに入り、布団をかけ直す
Aの方を向き、髪をとかすように頭を撫でる
頭に巻かれた包帯や、手の細かい傷が痛々しい

湿布が貼られた頬に手を滑らせ、改めて強くならなければと思った

「………ごめんな」

そんな言葉は部屋に小さく響いて消えていった

…

「真希さんっ、真希さん」

「何だよ野薔薇」

「来てください！」

真希の腕を引っ張りある部屋へと連れて行く野薔薇
クタクタの真希は少し機嫌が悪そうだ

「何だよ、ここ」

「まぁまぁ、見たら分かりますって」

そーっとドアを開け、静かに中に入る
一番手前のベッドは誰かが寝ているのかこんもりと丸みを帯びていた

「真希さん、誰が寝てると思います？」

「誰って… あそこにあんのAの月光だろ、
Aが寝てんじゃねぇの」

「フッフッフッ……ではどうぞ」

悪い顔をして手招きをした野薔薇の後に続きベッドを覗き込むと目を見開く真希

「……野薔薇、でかした
これは高く売れるぞ、(五条に)」

「おい悟」

「？」

「これ、欲しいか？」

真希が見せる液晶画面には恵とAが向かい合わせで同じベッドで眠る姿が

五条は声を上げる間もなくすぐさまイチ、と指を立てる

「１ねぇ…これ撮るの大変だったよなぁ野薔薇」

「シャッター音で起こさない様に、色々工夫しましたしね…」

「３」

「乗った」

「っしゃ」

影で写真が売られていることも知らず、スヤスヤと眠る2人であった

.