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「こうなったのはAのせいじゃないだろ。」
いつの間にか横に来ていた彼がそっと手を握る。骨ばった細長い指で私の手を包んでそう呟く。
頭上から降るその声を聴きながら私は意識を落とした。
「あー、可愛いな。」
自分の肩で小さく寝息を立てる姿が可愛い。
自然と甘い声色になってしまうのが止められない。
俺の事を知ってほしい。
隣にいてほしい。
そんな気恥ずかしい考えが取り留めもなく浮かんでくる。
あの両親はどうやらよっぽど困窮していたらしい。「借金返済の代わりに娘を渡せ」といったらいとも容易くこちらに寄越すのだから。
あまりに簡単に言ってしまったことに対して笑みが溢れる。
「スマイル。」
Aにそう呼んで貰える日を楽しみにしているとしようか。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
あまり反社感が出なかった…
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作者名：砂糖里 | 作成日時：2023年8月26日 14時
