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【sm】救いの手 ページ6

反社sm
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ヴィクトリアン調と言うのだろうか、重厚な雰囲気を持つまるで西洋のお屋敷の様な部屋の一角に私は座らされていた。

理由は明確、私が「売られた」身だから。
あの両親はどうやら金欲しさに実の娘をその道の人に売り飛ばしたらしい。

マホガニー製の机の上に書かれた五千万の字が恨めしい。確かに生活が苦しいのは知っていた。
だからといってこんな事に踏み切るとは思ってもいなかった。

心の支えが崩れ落ちた様な気分になって思わず涙が溢れ出す。
私が一人でただ泣き腫らしている所にその人は現れた。


「え、何で泣いてんの。」


焦茶の髪に菫色の瞳。どことなく憂いを帯びたような顔に驚きの二文字が浮かび上がっている。

彼は机にちらりと目を向けると合点があった様に一人で頷き、私の前の椅子に腰掛ける。


「まあ、その…Aが心配する様なことにはならないから。」


安心させようとしてくれているのか、彼の言葉に増々涙が溢れてくる。
気づけば私は目の前の彼に自分の事を話し始めていた。
大袈裟な相槌は無かったけれどただ静かに私の話を聞いてくれていた。その事実がなんだかとても暖かく感じられた。

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作者名:砂糖里 | 作成日時:2023年8月26日 14時

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