【WT】Enchante (ページ4)

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【br】Bon appétit ページ4

近所付き合いが希薄な現代社会で彼、ぶるーくさんは中々珍しい存在だった。
知り合ったきっかけは所謂「お裾分け」だ。

「作り過ぎちゃって…」とテンプレようなの台詞を口にして、美味しそうな料理のタッパーを渡してくれた彼に、私は胃袋をがっちりと掴まれてしまった。

「Aちゃん～、こんばんは～。」

ある金曜日の夜、比較的定番となった彼の来訪。
今まで何度か貰うだけでは申し訳無い、と伝えても「僕が好きでやってることだから！」と頑なにされてからは甘んじて受ける様になってしまった。

『ぶるーくさんお疲れ様です。これは…ビーフシチューですか？』

「せいかーい！お肉安かったし、Aちゃんビーフシチュー好きでしょ？」

今日もこうして私は彼に胃袋を掴まれている。
今度何かお礼にプレゼントすれば喜ぶかな、と久しぶりにあれこれ頭を悩ませるのだった。