【WT】Enchante (ページ1)

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【shk】水を食むページ1

人魚shk
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八月も終わり。
残暑と呼ぶには厳しすぎる夏を避けて足を運んだ海。頬を撫でる潮風はひんやりとして心地よい。

夕暮れの中で人影は殆ど見えなかった。この広い海を独り占めしている様な気持ちになって少し楽しくなってしまう。

『わ、冷たい。』

折角なら海に入ってみようと思い、素足で恐る恐る水に入れば波がゆったりと押し寄せてくる。暫く子供の様にはしゃぎながら歩いていると、ふと、光るものが落ちている。

『鱗…？』

暗い銀色に光るそれは魚の鱗のようだった。
親指の爪ほどの鱗を指で摘むと夕陽に照らされて一層美しく光を放つ。

「つ、番だ…」

宝石の様な光に魅入られていたせいでその声に意識を向けることが出来なかった。
気付けば私の身体は海へと引きずり込まれる。

息苦しさと張り付く衣服の重さに藻掻いていると、後ろから抱きしめられる。
振り返ろうにもそれどころでは無い私の身体は石のように重く動かない。

「飲んで。」

腹の底に響く低い声に口をこじ開けられる。
空気が泡となって出ていくと同時に硬いものが咥内に入り込む。

思わず飲み込むと身体が焼かれる様に熱くなる。不思議と苦しくはなかった。

「やった…これで俺たち番になれるんだ…」

興奮覚めやらぬ様子で人魚は呟く。
目の前の彼女の首元を優しく撫でれば己の鰓と揃いのものがそこには付いていた。

「これから宜しくな。あァ、俺の名前教えるね。」

鮫だから、シャークんって呼ばれてるんだ。恍惚とした表情でその白い腕に歯を突き立てた。

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青い鳥で先行公開したものです。
shkさんは人外が合う…