泡沫夢幻 -弐-【わたどう】

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椿｢………はぁ…、だから無闇に
あの人には関わるなと言ってるのに…、｣


｢……ごめん…、また色々迷惑かけた…。｣







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椿｢……そっちの怪我は大丈夫なのか。｣

｢…こんなの怪我って言わない。｣

椿｢…いーから、見せろ。｣






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大丈夫だって言ってるのに、頑なに見せろと言う椿。



仕方なく肘のかすり傷を見せれば、
痛そうに顔をしかめた。







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椿｢…俺がもっと早く気づくべきだった。｣

｢…えっなんで、違うよ！椿は悪くない…！｣

椿｢お前に怪我させたらお前の両親に面目がたたないだろ。｣




｢……もう、そんなの一々気にしないってば。

言われたとしても、
嫁入り前なんだから気をつけろ…ってくらい。｣








椿｢………まあ、そこは心配するな。｣

｢え、｣









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椿｢………今更どんな傷がつこうと、
どうせお前は俺に貰われるんだからな。｣







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ぐいっと、強引に手首を引かれて、
彼の胸にもたれかかるような体制になる。







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…ずるい…、なんでそういうこと言うの…。



ドキドキしてるのバレないように黙っていたけど、
耳の赤さまでは誤魔化せなかったみたい。


赤いぞ、って指摘するみたいに
耳にちゅ…、とキスされて肩がびくっと震えた。








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｢…そろそろちゃんと横になった方がいいよ。｣

椿｢…ん。｣








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薬が効いてきたのか、だんだんと言葉数が減ってきた。

起きていると体も休まらないので、
ちゃんと寝かせて肩まで布団をかけてあげる。








私もそろそろ仕事に戻ろう…、と思い、立ち上がると、
…ぎゅ、と手首を掴まれた。








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椿｢…どこ行くんだ。｣

｢……仕事戻ろうかなって。｣

椿｢……いい、ここにいろ…。｣

｢えっ…でも…｣







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椿｢…………お前は…俺のそばにいろ…。｣









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