29 帰ってこない ページ30
三途side
隙間から寒さを感じて、眠たい目を擦りながらゆっくりと目を開ける。既にAの姿はなくて、会社に向かったのだと理解する。
欠伸をしながらスマホを確認すると何件か着信が入っていた。面倒くさいが、折り返し電話しないともっと面倒になることも目に見えていたから折り返す。
「……なんだ?」
電話越しでまた邪魔な奴の始末を任される。その始末対象の奴の情報を聞いて適当にメモしておく。
「……わかった。俺のタイミングで探って接触して殺る。」
電話が切れる。スーツに着替えて、薬瓶から薬を取り出して飲み込んだ。まずは、詳細を詰めるためにそいつがいる付近を探索するのが得策だな。
久々に大きな仕事になりそうな気がするし、数日はここにも帰ってこれなさそうだ。……アイツに連絡だけ入れておいた方がいいか?いや、辞めておくか。
Aside
今日の押し付けられた仕事も終える事が出来た。今日も運が良ければ、定時で帰れるかもしれないと淡い期待を抱きながら、上司の所へと出来上がった資料を持っていく。
「出来ました。確認お願いします。」
「東雲くんありがとうね。もう定時だろ?お疲れ様。」
「え、帰ってもいいんですか?」
「ああ、今日も沢山資料を作ってもらったし……明日またお願いするよ。」
……沢山仕事を押し付けている自覚はあったんだ。でも、定時で帰らせてもらえるのはとてもありがたい。
時間的に最寄りのスーパーに辿り着く時間にはタイムセールもやっているだろうから、安く買い物を済ませて帰ろう。
「じゃあ、お疲れ様です。」
鞄を持って、会社を後にした私はそのまま駅に向かった。
スーパーで買い物を終えて、家に帰ると、春さんの靴はなかった。今日は私よりも出るのが遅かったし、その分帰りも遅くなるのだろうと思い、いつものように料理を作り始めた。
「遅いなあ……。」
20時を時計の針が刺しているが、まだ彼が帰ってくる様子はなかった。申し訳ないけれど、先に食べてしまおう。
食べ終わって、お風呂に入っても、彼は帰ってこなかった。こんな事、今までなかったから心配になってしまうけれど、私は私で明日も仕事があるから24時回っても帰ってこなかったら先に寝てしまおう。
作った料理は冷蔵庫に入れておいて、もし、春さんが帰ってこなかったら私の明日の朝ごはんにすればいい。
スマホを確認しても、連絡は入っていなかった。何もないと、いいな。
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モック - 完結おめでとうございます!物語中の春千夜君がかなりヤバくて(語彙力www)最高でした! 応援してます! (2022年9月24日 10時) (レス) @page50 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな。(プロフ) - 来夢さん» コメントありがとうございます!本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。大変恐縮です……!これからも面白いと思って頂ける作品が書けたらと思います! (2022年2月19日 0時) (レス) id: 74c94643cf (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - 完結おめでとうございます、そしてお疲れ様でした🙇♂とても最高でした!私にはこんな神作作れないので羨ましい限りです😭あ、作者様の春千夜くんドタイプでした!これからもずっと応援させて頂きますので、よろしくお願い致します🤲 (2022年2月15日 3時) (レス) id: e2197c2b6d (このIDを非表示/違反報告)
さきな。(プロフ) - 楸さん» コメントありがとうございます。自分にとっても楽しくかけた小説でした♪スランプに陥って書いては消してを繰り返しておりますが、自分の納得した作品が出来て書き続けられたらまた別作品を見ていただけたらと思います。 (2022年2月14日 1時) (レス) id: 74c94643cf (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - 完結おめでとうございます!!マジで最後の方はあ゛あ゛泣って感じで一人で焦ってたんですけど、あらぁ!!って終わり方でもう兎に角大好きです!!語彙力が行方不明になるくらい素敵な作品ありがとうございました!! (2022年2月14日 1時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2021年12月12日 0時