許嫁を迎えに行きます (ページ10)

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少しだけ勉強をしようと机に向かう。

どれだけ時間が経っただろうか

トントンって扉がなった。

「なにー」

扉を開ければ布団を抱えたお母さんがいた。

母「ほらほらどいて〜」

「え、は？ここで寝んの？」

母「じゃなきゃどこで寝るのよ。
私たちとAちゃんの3人で寝るのはおかしいじゃない」

「いや、そーだけど」

母「あんたが連れてきたんでしょ」

「俺一応おとこなんだけど」

母「ふっ」

「何笑ってんのよ」

母「Aちゃーーん。おいで」

　

呼ばれてAちゃんがきた。

母「ごめんね。北斗の部屋で！ゆっくり寝てね」

そりゃ両親と寝るのも変だけど

使ってない部屋あるでしょ？

それだけ言って母は部屋を出て行った。

2人で部屋に残されて、なんとも言えない空気。

『なんかごめんなさい』

「こちらこそ」

俺は机の椅子に座って

Aはその場に立ち尽くす。

『勉強してました？』

「あーちょっとだけ」

『ごめんなさい。』

「いや、もう時間も時間だから寝るか」

『はい』

ベッドに入る俺と

ベッドの下に敷いてある布団に入るA。

「電気消すよ」

『はい』

　
これがはじめて

Aを許嫁を迎えに行った日の出来事。

なんかあったんだろうなってそれくらい。

でも、これはまだ序章にすぎなくて

幾度と許嫁であるAがいなくなり

何度も彼女を迎えに行くことになるなんて

この時はまだ知る由もない。

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