許嫁を迎えに行きます (ページ31)

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この3年間結婚のことについて触れたのは

はじめて2人きりで会ったあの日以来だ

「そーなんじゃない？」

『それでいいの？』

「Aは嫌なの？」

『普通に恋に落ちて普通に結婚したい』

「そう」

少し残念な気持ちになっているのはなんでだろう。

ちょっと彼女のことをいいなって

好きになりかけているからだろうか。

俺だってそう思ってた。

そう思っていたのに。

この政略結婚に何も感じていない自分が

なんなら、全然結婚したいと思っている自分が

少し怖い。

『恋がしたい』

「ん」

『3年間勉強ばかりだったから、大学ではうんっと恋をする』

「それ未来の旦那に言う言葉？」

『可愛い女の子に囲まれてずっと恋してるくせに』

「それどこ情報だよ」

ヤキモチなの？なんてね。

アイドルにどんなイメージ持ってるのか知らないけど

普段から女の人に囲まれて生きてるわけじゃないよ

『こんな綺麗な夜景の中で大好きな人と
　キスとかロマンチックなことしてみたい』

「する？キス」

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