許嫁を迎えに行きます (ページ24)

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朝起きたらちゃんと布団の中に入ってた。

多分ママが布団を被せてくれたんだと思う。

とうとうこの日が来てしまった。

制服に着替えて下に降りる。

正直ママと顔を合わせずらい。

荷物を持ってリビングの扉を開けると
ママがキッチンに立っていた。

ママ「おはよ」

『おはよ』

昨日のことは何も触れずに

テーブルに朝ごはんが用意してある。

　

『ありがとう』

ママ「ん」

朝ごはん食べながら昨日落とした
スマホの電源をつける。

北斗くんから着信が3件
メッセージなし。

なんだったんだろ。今日の試験のことかな。

A電源落ちた。なんかありました?

スマホを伏せるとすぐ通知が鳴った。

返信早っ…

北斗なんもない。大丈夫

なんだそれ。

今日の試験に何も触れてこないことが

せめてもの救いだったかもしれない。

準備を終えてママに会場まで送ってもらうと

そこは受験生でごったがえしていた。

緊張してないって言ったら嘘になる。

心臓のドキドキを紛らわせるように

友達といつも以上に話をした。

試験がはじまると意外とドキドキはおさまるもので

いつも通り問題を解く。

凡ミスしなければ大丈夫。

ただ、一つ。

名前どうしよう。

ジージーズとぱぱの顔を思い浮かべると

もう、書かなくてもいいやーって

鉛筆を机の上に置いた。

ペラペラめくりながら
間違いがないか見直す。

その時頭に浮かぶのはママと北斗君の顔

ママの寂しそうな顔と

アハハッて楽しそうに笑う彼の顔

一緒にした勉強

あの時間が

いい思い出が

嫌な思い出に変わってしまうのか。

それはそれで切ないな。

蒼井A

残り１分前

自分の名前書くのが1番難しかった。

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