許嫁を迎えに行きます (ページ15)

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はじめて2人で会った。

ちゃんと会話するのはこれがはじめてで、

ちょっとだけ緊張する。

どうやら結婚する気はあるらしい。

でも、全く"興味"はないようだ。

おまけに会話を広げようという気もないみたい。

彼の名前を調べて少しだけ動画や雑誌を見た。

そこにいた彼は、私の前ではまるで別人。

私はこの人と一生一緒に生きていくのか。と思うと
正直、ちょっとしんどいなって思った

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はじめて会った日から時は過ぎ
あいわらず連絡はない。

"年明けのご挨拶"って思い挨拶に行ったけど
彼は出てこなかった。

別にいいけど…

本当になんの連絡もない。

あの人何考えてんだろう。

時が来たらいきなり一緒に住む気なのか。

私はいやだ、本当に好きじゃなくても

ある程度の信頼関係は欲しい。

でも彼はそんな関係を築くつもりもないらしい。

彼の誕生日に連絡すればありがとうってそれだけだ。

数ヶ月後_______

高校2年生になってそろそろ志望校を

決定しないといけなくなってきた。

模試の結果を見て三者面談がある。

が…

その模試が最悪だった。

数日後、家に帰ったらピアノが無くなってた。

『ねぇーピアノは？！！！？』

ママ「ごめんね」

捨てたんだ。

『…もう知らない』

家を出た。

携帯だけ持って。

ママからメッセージと電話

気づけば22時をとっくに過ぎていた。

でも帰りたくない。

うるさいなーってどうせママだろうって

着信を消そうと画面を見れば彼からだ。

親から電話があったらしい。

向こうを巻き込むのやめて欲しい。

ただぼーっと

暗い公園で星を眺める。

「なにしてんの？」って彼の低い声が聞こえた。

セリフを読むような冷たい声じゃなくて

ちょっと温もりを感じる落ち着く低い声。

なんできたの？

ピアノを捨てられたと言えば

特技だよねって。

一応あの紙に目を通したらしい。

「うちくる？」

なんて、よくわからない問いかけ。

私にも結婚にも興味もないくせになんで優しくするの？

この際困らせてやろうと、『うん』って頷いた。

はじめて2人で同じ部屋で寝る。

私もこんな予定ではなかった。

けど

仕方ない。

気づいたら眠っていた。

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