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不死川には分からなかった。
どうして自分のたった1つの母の形見を見ず知らずの女に渡すようなことをしたのか。もちろん彼女はその事は知らない。
ただ何となく彼女には生きていて欲しい、と強く思ったのだった。
必死で返そうとするAを見てると可笑しくなったきた。
不「ぷっ、、くくっ!!ンな必死になって要らねェって言われた傷つくわァ。」
『え!そんなつもりじゃ!!ごめんなさい』
こちらの反応に素直に落ち込むAにかわいい、と不覚にと思ってしまう。
不「じゃあよォ。4日後に返してくれねェかァ?」
4日後は最終選別の最終日だった。
不死川は彼女とまた生きて会う口実が欲しかったのだ。
『うん...分かった!生きて会おうね!約束!(ニコ)』
不死川にとって最終選別は単なる通過点に過ぎなかった。ただAとの約束が自分が残りの4日間生き残る糧のように思えたのだった。
不「あァ// もう遅い。俺はもう少ししたら鬼狩りに行く。お前は今日は休んでろォ。」
不死川の圧に負けて、今日は大人しく寝ることにしよう。
『ありがとう。気をつけてね。行ってらっしゃい!』
誰かに見送られるなんていつぶりだろうか。
気恥しいようなむず痒い、でもすごく穏やかな気持ちになる。
Aの言葉が不死川のAを温かくしたのだった。
その風貌から人と関わることを避けてきた不死川だったが、Aといると自然とAを溶かされ、まるで兄弟と話をしている時のような気持ちになっていた。
程なくしてAが寝入った頃、
不「さてと、俺もそろそろ行くかァ」
寝てるし、今なら見ても大丈夫だよなァ??
最後にまじまじとAの顔を見る。
透き通るような白い肌、濃紺色のサラサラの髪。
長いまつ毛が落とす影が消えてしまいそうなくらい儚く見えた。
不「綺麗な顔してんなァ//」
話している時からは可愛らしいまだあどけない少女のような印象を受けたが、眠っている顔は凛としており美しかった。
Aの顔にかかった髪を優しくそっと避けてやる。
不「頼むから死ぬんじゃねぇぞォ」
気恥ずかしくなった不死川はそう言ってそそくさと鬼狩りに出ていくのであった。
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Lie(プロフ) - *Flonaison*さん» *Flonaison*様 初めまして!初投稿に初コメントとても嬉しく思っています!!ありがとうございます(泣)*Flonaison*様も実弥さんお好きですか?自己満故、ご期待に添えるか不安ですが、温かく見守って頂けたら嬉しいです。今後ともよろしくお願いします🔥🔥 (2022年2月14日 21時) (レス) id: d451698e65 (このIDを非表示/違反報告)
*Flonaison* - Lieさん始めて*Flonaison*です、よろしくお願いします🙇⤵先程此方の作品を読ませて頂きましたがヒロインは柱のみなさんに愛されてますが仲でも実弥さんとは同期らしいですが他にも何やら隠し要素もあるそうですが次回が楽しみです💕💕💕 (2022年2月13日 22時) (レス) @page11 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lie | 作成日時:2022年2月12日 22時