よしわら73 涼介 ページ23
腕の中で眠るA………
小さな窓の外には雲のない青空が広がっていた
「失礼いたします………」
そう言って部屋の戸を開けたのはまだ幼げな女の子だった
ぱっと目が合うとその子は急に動きが止まっていた
涼介
「はじめまして
夢見町から来た涼介と言います」
笑顔で挨拶したけれどその子は恥ずかしそうにうつむきAの名前を呼ぶだけだった
A
「おはよう凛………」
凛
「姐さんそろそろお支度の時間です！」
それだけ言うとその子はそそくさと部屋から出て行ってしまった
涼介
「こんなにも時は一瞬なんだな………」
A
「この日までの月日はどんなにも長く感じたのに………」
切なげな表情のAを
自分の腕の中に抱き寄せた………
今はこの腕の中にいるのに
夜にもなればAは他の男に抱かれ
俺は他の女を抱いている………
それが遊郭にとらわれた身と承知している現実
また吉原に来る約束を交わし最後の口づけをすると
Aは一筋の綺麗な涙を流した………
番頭の宏太に挨拶をして見世をでると吉原の町は昼見世が賑わい出していた
夢見町と同じように格子から手招きする遊女たちはみな妖艶で少し悲しげにも見えた
しばらく歩き赤い大門が見えて来ると見覚えのある男が門の前で待ち構えていた
涼介
「桜花楼の若い衆だろ？」
大貴
「へぇ………
随分と記憶力がいいようで」
この声今朝のあの男に間違いない
大貴
「俺は大貴って名だからついでに覚えてくれよ」
涼介
「あぁ、俺は涼介
Aの間夫だ」
大貴
「間夫ねぇ………」
涼介
「気に入らないのか？」
大貴
「あぁ気に入らないね………
あいつは花魁になる女だ
いつまでも自分のものだと思うなよ………」
鋭い目つきにこの声色
大貴の考えている事や想いは手に取るようにわかった………
涼介
「そんなことはわかってる
けどな花魁になっても俺はあいつの心から消えない
結ばれてるってのはそうゆう事だから………」
大貴に向けた言葉
けれどそれは俺が自分自身に言い聞かせる為の言葉だったのかもしれない……
それでもおまえを信じていいんだよな？
A………
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あず(プロフ) - 最初から全て良かったです！！めっちゃ好きです！！ いつまでも続き待ってます！ (2020年12月13日 20時) (
レス) id: 5224cda9d2 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 更新お願いしますm(_ _)m (2020年11月29日 21時) (レス) id: 03dd393071 (このIDを非表示/違反報告)
実咲(プロフ) - もう読めないのでしょうか、、続きが気になり胸が締め付けられます。。更新していただけることを楽しみにしております！ (2019年12月20日 11時) (レス) id: 994d890a27 (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - 楽しみにしてます！大好きです (2018年9月24日 8時) (レス) id: 2bc913fedf (このIDを非表示/違反報告)
いちご飯(プロフ) - 不覚に更新された事に今の今まで気付いていませんでした！！でもさっき読みました！！やっぱり凄いです、大好きです！久しぶりに読んだのに話覚えてて凄く記憶に残る素晴らしい作品なんだなって改めて感じました！更新頑張って下さい！ゆっくりでいいので待ってます！ (2018年1月25日 4時) (レス) id: 93399d4318 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RAFIKI | 作成日時：2017年5月24日 0時
