よしわら71 大貴 ページ21
俺は突き出しのあとのAが気になりまだ早い時間だったけれどAの部屋へと足が向いていた
廊下から部屋の前に目線を向けるとなぜかかむろの凛が部屋の戸の前にちょこんと座り込んでいた
大貴
「おまえこんな所で何やってんだ?」
凛
「番役を務めていました」
まだ幼い凛は暇を潰すためのあやとりを手にしたまま嬉しそうに答えた
大貴
「番って
とっくにAの突き出し相手なら大門を出ていっただろう?」
凛
「お静かに!
姐さんは間夫とお休みになってるんです」
大貴
「間夫ってあの色白の遊男か?」
凛
「私もまだお目にかかってはないんです
番頭さんに夢見町から姐さんの間夫が来たから番をしろと…」
すぐに来るだろうとは思っていたけれど突き出しの当日に来るとは………
A
「大貴?………」
声に気づいたのかAが戸を開け姿を見せた
奥の部屋は薄暗く遊男の姿までは見えなかった
A
「凛番役ありがとうね」
凛
「それじゃあ私は大部屋に戻ります…」
そう言って凛は少し眠たげに廊下の奥へと進んでいった
大貴
「夢見町からの客だって?」
A
「わかっていてそういう言い方をするのですね」
大貴
「そんな事はお互い様だろ………
俺がそんな言い方しか出来ないってわかってんだからさ」
こんな突っかかるような話がしたかったわけじゃないのにあいつが来てるってだけで苛立ちが抑えられなかった………
A
「大貴………」
Aは少し悲しげに俺を見ていた
けど俺はそんな顔させたくないし見ていたくもなかった………
大貴
「間夫なんてのは次に会えるかわからない………
早く部屋に戻りな」
A
「はい………」
大貴
「また夕時に来るわ………」
そう言って俺はAと別れた
Aに言った言葉………
あいつはどうとったかわからないけれど次に会えるかわからないってのは本当の事
間夫ってのはだいたい二種類にわかれる
遊女と割り切って付き合える奴
遊女と割り切れなくて付き合えなくなる奴
後者なら早かれ遅かれこの街から遠ざかっていく………
男とはいえまともな恋心を遊女に持ち続けるなんてのは辛く苦しいもんなんだろう
そんな事俺には他人事だったはずなのに………
667人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あず(プロフ) - 最初から全て良かったです!!めっちゃ好きです!! いつまでも続き待ってます! (2020年12月13日 20時) (レス) id: 5224cda9d2 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 更新お願いしますm(_ _)m (2020年11月29日 21時) (レス) id: 03dd393071 (このIDを非表示/違反報告)
実咲(プロフ) - もう読めないのでしょうか、、続きが気になり胸が締め付けられます。。更新していただけることを楽しみにしております! (2019年12月20日 11時) (レス) id: 994d890a27 (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - 楽しみにしてます!大好きです (2018年9月24日 8時) (レス) id: 2bc913fedf (このIDを非表示/違反報告)
いちご飯(プロフ) - 不覚に更新された事に今の今まで気付いていませんでした!!でもさっき読みました!!やっぱり凄いです、大好きです!久しぶりに読んだのに話覚えてて凄く記憶に残る素晴らしい作品なんだなって改めて感じました!更新頑張って下さい!ゆっくりでいいので待ってます! (2018年1月25日 4時) (レス) id: 93399d4318 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RAFIKI | 作成日時:2017年5月24日 0時