何故か私はANEWN組に好かれている。 (ページ10)

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『ふぁ～………』

私は瞼を擦りながら、大きなあくびをした。

マッチングルームで、机に突っ伏しながら試合が始まるのを待っていた。

4人用のテーブル席には、占い師、傭兵、納棺師が座っている。

占い師「A」

急に名前を呼ばれて、私は突っ伏していた上半身を起こす。

占い師「Aは、私が守るから」

あのねイライ。
今ちょっとときめいたよ。
言ってることはとても頼もしいんだけれども。

『あんた口にケチャップ付いてるよ』

占い師「～～～っ？！」

言われて気づいたのか、イライは顔を真っ赤にしながら腰にあるタオルで慌てて口を拭いた。

傭兵「あっははwww
今日の朝メシのスクランブルエッグ、そんなに美味かったか？」

占い師「ばっ、馬鹿にするなっ！」

傭兵「気づいてないの可愛いwwwあーっwww」

納棺師「そ、そんな時もありますよっ」

ナワーブが笑い転げている。
イソップも、フォローはしているが笑いが堪えきれていなかった。
イライは恥ずかしすぎて、梟に顔をうずめた。

占い師「もーーー早くマッチング始まってくれ…」

パリーンという音と共に、試合が始まった。

今回のマップは月の河公園。
ランクマでこのマップ来たら死にたくなる。

試合が始まった途端、イライは「早く逃げて！」とチャットを飛ばしてきた。

最初にそう言うってことは、白黒無常か、夢魔女か、それとも血の女王か…

周りに警戒しながら、二階建てテントの中の暗号機に手をつける。

チャットは全員「解読に集中して！」と言っている。

『まだ誰も見つかってない…か』

私がこのまま解読を進めようとすると、だんだん寒気と鼓動が高鳴るのを感じた。

背後から、聞き慣れた鼻歌がした。

リッパー「Aさんではないですか。
この前はコテンパンにされてしまいましたが、今回こそはお姫様抱っこさせて頂きますよ」

おい！！ハンターリッパーじゃねえか！！！
イライまたインチキしやがったな！
今日イライの昼食にホイップクリーム突っ込んでやる！！

そう思いながら、私は全力で走る。

『はぁっ…はあっ』

全力で板を乗り越えたりしても、やっぱり私の身体能力は皆より低く、体力がもたない。

リッパー「頑張ってるのは認めますが、今日は手加減しませんからね」

壁をつきぬけ、霧が当たる。
か細い悲鳴を上げながら、なるべくチェイスを伸ばそうと全力で走る。