【赤葦京治】風邪効果

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そのあとなんやかんやとあったけど

念願かなって付き合うことになったはいいけど

高校は見事に別々で


少し会いたいなーって思うときもあるけれど

電話をして彼の声を聴くと満足してしまう


だって毎年こうしてお見舞いに来てくれて



「A」

ん…？


幻聴だろうか

京ちゃんの声が聞こえる


目をうっすら開けてみると大好きな人の顔

「あれ…？」


布団から起き上がると少し呆れた顔で

「合鍵のこと、もしかして忘れてる？」

そういえばこの時期になると私が風邪をひくだろうからと

合鍵を渡す習慣が高校に入ってからついた


「あ、なるほど」

そうつぶやくと軽くデコピンをされる


少し痛いよ…

額をさすりながら


「お粥、あったかいうちに食べて」

そういって渡してくれる


わざわざ持ってきてくれたんだ

キッチンから少し離れた私の部屋に

運んでくれるとは気が利く


毎年恒例の彼の作るお粥は

私の大好きな味


「京ちゃんのお粥、ほんとにおいしい」

そう告げると嬉しそうに私の頭を撫でる


ちょっと照れてる証拠だ

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