【浦島坂田船】君との時間を願います

恐怖に願う ページ21

貴方side



あれから、うらたんや志麻くん、センラくんがそれぞれ声を掛けてくれた。そして五人で少し喋り今日は解散することになった。



「....あと、少し....」



病室は個室なので今は私一人だけ
なんだかさっきまで憂樹や皆といたからこの空間が広く感じる...



寂しい...



怖い...



改めて自分の病気について聞かされるとタイムリミットが着実に近づいていることを実感させられる。



「....治らないのかな...?」



あと、どれくらい生きてられるか、
あと、どれくらい皆と笑ってられるか、
あと、どれくらい憂樹に好きって言えるか、
あと、
あと、
あと、......



考えたら切りがない。生きている時なんてこんなこと全く考えなかったのに...
ちゃんと《おやすみ》っていったら《おやすみ》が返ってきて、《おはよう》って言ったら《おはよう》って返ってくる。




それが当たり前。




でも、気づいたら聞こえなくって、周りにいた人全員居なくなってて、私は独り.....



「っ....死に、たく..ないっ!」



たとえ、抗がん剤で治療したってまだ少数しか発見されていないこの病気。治るわけがない...




「嫌っ...いや、だ、もっと...」









もっと....









皆と一緒にいたいよ...

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