アイドル１ ページ2
「え、なに、僕の顔に何かついてる？」
「いや・・・
月島、熱あるの？
部活休めば？」
私が心配したような顔で言うと、月島は呆れたようにわざとらしく大きな溜息を吐いた
「最初に提案したのは君でショ？」
いつもの如く、馬鹿にしたような笑みを浮かべて月島はそう言った
それにむかちんと来たが、すぐ傍で言葉を発した山口によってそれは抑えられた
「え、ツッキーアイドルになるの？！」
キラキラと瞳を輝かせて言う山口
ああ、なんだ
ただ(の天)しか・・・
山口もそこそこ顔面偏差値は高いはずなのだが、本人の遠慮がちな性格と、あとすごく輝きを放つ幼馴染が傍にいるせいで平凡な顔つきに見えてしまう
しかし顔面偏差値は高い
私はふ、と思いついた
「二人でユニット組んでみたらどうかな・・・」
その言葉に、二人は勢いよく振り返った
「え、俺がツッキーと？！
無理だよ、釣り合わないよ、きっと」
慌てたようにそう言う山口を横目に、月島はまたも肯定の意を示していた
それを見て、慌てたようにツッキー？！と言う山口が本当天使
かわいいは世界を救う(確信)
「なに、山口
お前、自分が僕より劣るって卑下しているの？」
月島は山口を見て、冷たくそう言った
「そうだよ、山口！
山口は月島よりも劣っていることないよ！」
私も前のめりになりながら山口にそう言った
口篭る山口に、畳み掛けるように私は言葉を連ねた
「だって、月島は全然可愛くない！
確かに、冷静、だとかＳっぽいだとかのかっこよさはあるけど、可愛さが微塵もないんだよ！
その点、山口は月島にはない可愛らしさがあるではないか！
かわいいは世界を救うんだよ！
月島がかっこいいのなら、山口はかわいい路線で攻めればいいではないか！
かっこいい×かわいい＝∞で、いいユニット組めると思うんだよ！
それに山口には可愛らしいの中にも時折見せる鋭いかっこよさがあって―――」
私は夢中になって語り続けていたため、山口と月島が既に澤村さんの声で集合して、部活を始め出していたことに気付いたのは、語りだしてからおよそ３０分後のことだった・・・
「え、ちょ、置いていったなんてひどくない？！」
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作者名：仕立て屋 | 作成日時：2015年12月23日 11時
