貴方と君をつなぐたばこ (ページ2)

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たばこ2 ページ2

引き続きA視点です。

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私のことは多分貴方がよく知ってると思う。

眠たくなったら体温が上がることやキスは短めが好きってことも。

私気付いたんだ。

「貴方のことどれくらいわかっていたんだろう。」

って。一番最初に浮かんできたのは貴方の好きなたばこの名前は

winstonだってこと。

「もっとちゃんと貴方を見てればもっとちゃんと」

って。今更気づいてももう遅いよね。

今更気づいたってなんの意味があるの？

目から一粒の涙が落ちた。

貴方が置いていったたばこ。

私の嫌いなもの。

そのたばこに火をつけてしまった。

途端に貴方の匂いがした。

貴方の匂いに包まれた。

一口吸ってみたけどやっぱりむせた。

「もっとちゃんと私を見ててよ。もっとちゃんと」

って言わなければ貴方はここにいたのかな。

いつもと変わらずそばにいてくれたのかな。

「もっとちゃんと貴方を見てればもっとちゃんと」

って。少し苦い貴方の匂いがした。

どれだけ泣いても名前を呼んでも貴方はいない。

その現実から目を背けたくてまた一口吸った。

「やっぱり美味しくなんかないじゃん。」

この言葉はたばこの煙と一緒に消えていった。