執事。 ((とらじゃ))

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｢………しーくん、｣







閑也｢どうなさいました？｣







｢この家を、一緒に出て行こ？｣







閑也｢え、？｣







｢…………嘘。
でもね、家を出て行ってもいいって思えるくらい
私はしーくんのことが好き。大好きなの。｣







今まで言わせてもらえなかった言葉。
真っ直ぐしーくんを見て伝える。


最初は動揺してたしーくんだけど、
本気だって伝わったのか困った顔で私のこと見てる。







閑也｢でも、執事との恋は｣







｢ご法度。分かってるよ、それくらい。
だから、この家を出て行ってもいいって思えるくらい
って言ったんだもん｣







閑也｢…………お父様から言われました。｣







｢え、？｣







閑也｢同じことするんだな、って。｣







｢どういうこと？｣







しーくんの言葉が理解できなくて。
同じこと、って何？







閑也｢ほんとは私から伝えたかったんですけど、｣







｢しーくん、？｣







閑也｢執事を辞めてもいいって思えるくらい
俺はAのことが好き。｣




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