執事。 ((とらじゃ))

＊ ページ25

・






｢っ、！
………しーくん、｣







同じこと、って
しーくんもお願いしに行ってくれたの？







閑也｢川島に言われたんです。

A様の気持ち、ちゃんと受け止めろって。
A様は、吉澤のことを思って俺やお父様にお願いしてるからって。｣







｢…………そっか、｣







閑也｢あと、宮近からも。

家を出て行くんじゃなくて、お願いしてるのは
吉澤が執事を続けられるようにだ、って。｣







｢…………宮近、｣







閑也｢………お父様のお許しももらえたし、
これからは専属執事兼、彼氏！ってことで！｣







｢っ、！
………好き、大好き。｣







大好きな優しい笑顔のしーくんに飛びつくと、
ぎゅ、って受け止めてくれて。


しーくんのあったかい匂いでいっぱいになる。







｢………A呼び嬉しかったから、
これからはずっとA呼びね？｣







閑也｢ふふっ、………はい｣







｢敬語も禁止。｣








閑也｢分かった。｣








耳元で聞こえるしーくんの声が、
くすぐったいけどあったかい。








閑也｢じゃあ、Aも。｣







｢え？｣







閑也｢俺の…………彼女、なんだからさ。
しーくんじゃなくて、閑也って呼んでよ｣




・




きいろしつじ。 END




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