Another Strawberry−2− 【stpr】【マフィア】

… ページ28

十数年前―――――


僕と莉犬は小さい頃から大の親友だった
どこへ行くにも一緒で、「まるで双子が兄弟のようだ」とよく言われた





しかし、そんなある日







莉犬のところへ遊びに行こうとした僕は




誘拐された




しかも、偶然そこを通りかかった莉犬も一緒に





莉犬は僕を助けようと必死に誘拐犯に立ち向かった
僕も何とかもがいて逃げようとした


が、所詮はやはり子供


逆に車に乗せられて、2人で捕まってしまったのだ






倉庫に閉じ込められた僕達は、どうにかして誘拐犯の目を盗んで逃げようとしていた事がバレて暴行された



殴られて、蹴られて、時には壁に叩きつけられ、何度も何度も罵声を浴びせられた



その後、幸運にも僕達の誘拐現場を見た人の110番通報によって、警察がすぐに到着して犯人はすぐにお縄となった





だが、僕と莉犬の心の傷は癒える事はなかった――――――






現在―――――





『あの時と･････、同じ･････―――――』

あの生々しい感触が鮮明に蘇り、胃から熱いものがせり上がってくる
色々な感情が渦巻いて、だんだんと過呼吸になっていく


『痛い』

『暗い』

『怖い』

『狭い』

『やめて』

『嫌だ』

『死にたくない』





誰か――――――――

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