第41話 ページ49
私達が席につくと同時に、
公演が始まった。
最前列の中央席だ。舞台までが
近すぎるために観劇に向いた席とは
云えないだろう。だが、役者を
守るには最適な席と、
福沢は考えたのだろう。
確かに、ここから最短距離で、
阻止に走れるだろう。
福沢の左隣には乱歩。そして
右隣に私という席だった。
乱歩は、先程の衝撃が
抜けきっていないらしく
まだぼんやり空中を見つめたまま
足をぶらぶら揺らしている。
劇場ホールは四百人近くを
収容することができる。
見渡すと、その席のほとんどが
埋まっている。観客は年齢も性別も
まちまちだが、敢えて傾向を語るなら
二十代の女性が多い。
やがて本鈴とともに
演劇が始まった。
既に台本を読み込み、内容は
頭に入っていた。
予告状には
『天使が演者を、真の意味で
死に至らしめるでしょう』
と、あった。
天使、と表現された言葉は
偶然や諧謔ではないだろう。
今回の演劇は天使にまつわる
物語だからだ。
台本を思い出す。演劇の内容を
一言で表すならば、こうだ。
”天使による殺人”
十二人の登場人物を、天使が次々に
殺害していく物語。
それが今回の演劇の概要だ。
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読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時