第二十一話。 ページ23
次の日。
気まずい思いを抱えながら、歩き慣れた学校への道を歩く。
私の気持ちと同じように、空は今にも泣き出しそうな曇りだった。
A「…カサ忘れた……」
少女漫画で言えば、完全な恋愛フラグなのだが、
そもそも私に好きな人はいないし、居たとしても、
カサは受け取れない。
綾乃「A〜」
A「あ…綾乃っ……」
綾乃「おはよっ」
A「お…はよ…」
綾乃「元気無いけど…どした!?先行くよ〜」
A「!?!?!?」
…綾乃…だよね?
目を疑った。
いつもの綾乃だ。
あんなに元気が無かったのに。
昨日まではあんなに____
紗那「あ…Aおはよ。綾乃さ…」
A「私もどうしてあんなに元気になったのか…」
紗那「違うって。それもあるかもだけど。見て」
教室に入るや否や、紗那は私に駆け寄ってきて、そう話した。
紗那が“あれ”と視線を向ける先には、「Aちゃん…」と不安そうな顔のみったん。
そして____
優真「だから、あそこで技出した方がいいって言ったんだろ」
綾乃「いや…でもあの場所はマズいよ。
周りに危害が及ぶ可能性がある」
優真「主人公の危機ってのは面白いけど、
来週まで待つのは…」
綾乃「…単行本貸そっか?」
優真「マジで!?」
楽しそうに話す綾乃と優真の姿が。
アニメの話だろうか。
とにかくここ最近では見た事のないような二人の表情が、そこにはあった。
A「っ………」
私は優真なんて…幼馴染なんて好きじゃない。
綾乃は優真が好きだ。
幸せそうならそれでいいんじゃないかな。
……でも、そう思えない自分がいる。
おかしいよね。
私…どうしちゃったんだろう。
秀一「また泣きそうな顔してる」
A「違うって」
未来「Aちゃん…素直になってみなよ」
紗那「綾乃と…話した方が…」
A「素直になれって何?
綾乃とは…もう話した。私…もう…自分が分からない……」
今にも消え入りそうな私の声。
窓の外では、ぽつんぽつんと小さな雨粒が、
地面に模様を作っている所だった。
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ひよねこ(プロフ) - いちごばにらさん» んん? (2015年1月11日 10時) (レス) id: 1dbb9c4747 (このIDを非表示/違反報告)
いちごばにら - 羅々さん» ありがとうございます(*^^*) (2014年12月20日 17時) (レス) id: 75f3eef4ed (このIDを非表示/違反報告)
羅々 - 早く続きが読みたいです!!更新楽しみにしてます! (2014年12月18日 22時) (レス) id: a0a298f20c (このIDを非表示/違反報告)
ひよねこ(プロフ) - 穹さん» ありがとうございます!ウジウジして堪らない青春ラブストーリー(?)頑張ります(`・ω・´) (2014年11月14日 21時) (レス) id: 1dbb9c4747 (このIDを非表示/違反報告)
穹 - 青春、最高ーー!!私、もうこのお話にメロメロです!続きに気になります!! (2014年11月14日 20時) (レス) id: d8e4371a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよねこ&いちごばにら x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2014年9月20日 18時