第53話 ページ9
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「別に
『駄目でしょ、大事になるとめんどくさい』
「それに、呪霊の発生を抑制するのは何より人々の心の平穏だからね
そのためにも目に見えない脅威は極力秘匿しなければならないのさ
それだけじゃない「分かった分かった」
硝子からサングラスを取り返した悟が、傑の言葉を遮る
まるで、“これ以上は聞きたくねぇなめんどくさい”、なんて言っているようだ
「弱い奴等に気を遣うのは、疲れるよホント」
「“弱者生存”、それがあるべき姿の形さ
弱きを助け強きを挫く…いいかい悟
呪術は非術師を守るためにある」
傑が口にしたのは、入学の日に聞いたのと同じ内容
…どうやら、1年経っても傑の信念は変わっていないらしい
『傑、まだそんなこと言ってんの』
「無理に理解してもらおうとは思わないさ
けど、これが私の生き方なんだ」
そう真っ直ぐに答える傑にため息が零れる
硝子は傑も含めてクズだなんて言うけど、私はそうは思わない
神になろうとする人間のような…そんな愚かさをも含んだ優しさを、彼は持ってる
…それが、どれほど脆いものか
「なぁ傑、それ…正論?
俺、正論嫌いなんだよね」
「…何?」
傑の不機嫌そうな低音が響く
硝子は面倒な空気を察知したのか、素早く出ていくのが視界の端で見えた
「
ポジショントークで気持ちよくなってんじゃねーよ、オ"ッエー」
『何度でも言うけどさ、傑の理想は実現不可能だよ
私らは
厳しいけど、傑の信念は所詮…机上の空論なんだよ』
私たち2人の言葉が逆鱗に触れたのか、背後からズズズ…と呪霊を出した傑
「外で話そうか、A、悟」
『パス、めんどい』
「寂しんぼか?一人でいけよ」
ガララッ
いきなり開いた扉と、入ってきたのはヤガセン
傑は瞬時に呪霊を戻し、私と悟は先程までの空気が嘘のようにニッコリと笑った
「!、硝子はどうした」
「さぁ?」
『さっき出てったー』
「便所でしょ」
ヤガセンは聞き流しながら教壇に立つ
「まぁいい
この任務はオマエ達3人に行ってもらう」
えぇ〜〜…
さっきまであんな空気だったのに、いきなり合同任務とか…
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あまね(プロフ) - ああああああ好きだダダ (1月7日 5時) (レス) @page25 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ。(プロフ) - とっても面白かったです!更新待ってます☺️ (7月6日 14時) (レス) @page24 id: 70f98d03be (このIDを非表示/違反報告)
いちきちゃん(プロフ) - えッ!?めちゃくちゃいいところで終わってしまっている、、、更新ずっと待つのでよろしければおねがいします。 (5月19日 20時) (レス) @page24 id: a5128c3cae (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - souさん» ヒェッ、、ほんとだ…すぐに直します!教えていただき、ありがとうございます┏○)) (2022年3月2日 22時) (レス) id: 408e3ef2ce (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - いつも楽しんで読ませていただいています!57話の初めの方同化が動画になってますよ|ω・`) (2022年3月2日 15時) (レス) @page13 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬこ | 作成日時:2022年2月13日 10時