第69話 ページ25
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『間に合って、よかった…理子ちゃん、怪我は…?』
「妾はなんともないが、Aが…Aが…!」
傷を負った肩が燃えるように熱くて痛い。上手く動かすことができないほどだ。
右肩だったのがせめてもの救いか。
「A!すぐに止血を、」
『傑!先に
傑は酷く動揺して、冷静な判断ができていない。
任務より
『クッ、盤星教からの差し金か…?』
痛む体に鞭打って、銃弾が飛んできた方向に目を向ける。
そこに居たのは。
『え、』
とー、じ…?
目が合うと彼は驚いたように少し目を見開いた。
が、すぐに元のニヒルな笑みを浮かべて言った。
「久しぶりだなァ、A…綺麗ンなったじゃねェか」
その手には、紛れもなく私を撃ったであろう銃が握られていて。
銃口からは細い煙が立ち上っている。
『うそ…うそだ、なんで、』
あたまのなかがまっしろで、うまく思考がまとまらない。
自分の記憶のなかのとーじが、ガラガラと音を立てて崩れていく。
「A、知り合いかい…!?」
「頼むA、そこ退いてくれ、お前を傷つけたいわけじゃねェんだ」
どうするのが、正解なんだろう、
とーじと─────戦いたくない
「ッ、A!」
ハッと息を飲む頃には、目の前にとーじの顔が迫っていて。
「悪ぃ、少し寝ててくれるか
目ぇ覚ます頃には全部終わらせてるからよ」
あぁ、まただ。
また、私はとーじを止められない。
瞬きの間に私の意識は闇へと沈んだ。
私はそのことに、抗うこともしなかったように思う。
────────────────
「久しいな、Aよ。こうして会うのは二度目になるな」
『大…嶽丸』
目を覚ますと、そこには二つの光る眼が有った。
二度目…一度目の記憶が無い。
「…そうか、“あの日”の記憶は消えておるのか」
目前の鬼は少し寂しげに目を伏せる。
その姿に心の奥底がキュウと音を立て、耐えられなくなる。
気付くと私は彼の頭を、角に触れないよう気をつけながら撫でていた。
黄金色の双眸が少し見開かれたかと思うと、その顔には微笑みが浮かんだ。
「よく聞くが良い、A。主の体は、今この時を以て我の器として完成した」
『器…私が?』
「嗚呼。故に主の体には今より、我の術式が刻まれる」
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あまね(プロフ) - ああああああ好きだダダ (1月7日 5時) (レス) @page25 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ。(プロフ) - とっても面白かったです!更新待ってます☺️ (7月6日 14時) (レス) @page24 id: 70f98d03be (このIDを非表示/違反報告)
いちきちゃん(プロフ) - えッ!?めちゃくちゃいいところで終わってしまっている、、、更新ずっと待つのでよろしければおねがいします。 (5月19日 20時) (レス) @page24 id: a5128c3cae (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - souさん» ヒェッ、、ほんとだ…すぐに直します!教えていただき、ありがとうございます┏○)) (2022年3月2日 22時) (レス) id: 408e3ef2ce (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - いつも楽しんで読ませていただいています!57話の初めの方同化が動画になってますよ|ω・`) (2022年3月2日 15時) (レス) @page13 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬこ | 作成日時:2022年2月13日 10時