第60話 ページ16
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『…悟、理子ちゃんも連れていこう』
「……その内拉致犯から連絡がくる
もし、アッチの頭が予想より回って、天内を連れていくことで黒井さんの生存率が下がるようなら、やっぱお前は置いていく」
「分かった、それで良い」
「逆に言えば、途中でビビって帰りたくなってもシカトするからな
覚悟しとけ」
どうやら、悟も連れていくことに決めてくれたようだ
理子ちゃんも、どこか安心したように見える
『とりあえず、ここの後始末からでしょ
呪詛師の遺体を放置するわけにもいかない』
そう言って、置いてきた早乙女薫の所へと向かおうとした時、
クイッ
と袖が引かれた
見れば、少し目が泳いでいる理子ちゃんが
『?、どうしたの?』
「…あやつ、貴女の言葉で決意を変えよった
じゃから、ありがとう、A」
あやつ、ってのは悟のことか
それに、私の名前
『はは、どういたしまして!
黒井さん、絶対に取り返さなくちゃね。大事な家族でしょ?』
「…うん!!」
────────
『…は?』
なく、なってる、早乙女薫の遺体が無くなってる…!
「A、場所はここで間違いは無いんだね?」
『間違いない…遺体も、四肢も、ここにまとめて置いといたのに!』
「その呪詛師、幻影を操るのじゃろう?Aが幻を見せられていたということは無いのか?」
理子ちゃんが小首を傾げて聞いてくるが、残念ながらそれは無い
『私はこの身に鬼神、大嶽丸の呪いを宿してる
呪力や術式を起点とする毒の類は、よっぽどのものじゃないと私には効かない』
くそっ、仕留め損なったか?
いや、そんなはずは無い。しっかりと死亡の確認はした
じゃあどうして…誰かが持ち去ったとでも!?
「A、落ち着いて
とりあえずヤガセンに連絡を。指示を仰ごう」
『う、うん、そうだね…ありがとう傑』
その後、ヤガセンからの指示は“任務続行”
捜索班は新たに術師、補助監督によって編成されるらしい
早乙女薫の術式は広範囲に及ぶ幻影
そしてその霧自体も、非術師にとっては猛毒になりうる
あいつが無差別テロなんて起こした日には、どれほどの被害が出るか
『私の失態だ…考えが浅すぎた』
傑の失態とは比べ物にならない
私に対する処罰はどうあろうと構わない
けど、もしあいつが人を…私の大切な人たちを傷つけるようなことがあったら
私は多分、自分で自分を許せない
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あまね(プロフ) - ああああああ好きだダダ (1月7日 5時) (レス) @page25 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ。(プロフ) - とっても面白かったです!更新待ってます☺️ (7月6日 14時) (レス) @page24 id: 70f98d03be (このIDを非表示/違反報告)
いちきちゃん(プロフ) - えッ!?めちゃくちゃいいところで終わってしまっている、、、更新ずっと待つのでよろしければおねがいします。 (5月19日 20時) (レス) @page24 id: a5128c3cae (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - souさん» ヒェッ、、ほんとだ…すぐに直します!教えていただき、ありがとうございます┏○)) (2022年3月2日 22時) (レス) id: 408e3ef2ce (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - いつも楽しんで読ませていただいています!57話の初めの方同化が動画になってますよ|ω・`) (2022年3月2日 15時) (レス) @page13 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬこ | 作成日時:2022年2月13日 10時