50:優しさ**土方side** ページ1
土方side
『やっちまった……』
俺がそう嘆いた声は誰にも聞こえなかったのか、空気に溶け込んで消えた。
相変わらず減らず口のアイツを今度こそ黙らせようと試みれば、銀時と手を組んでまんまと嵌められた。
足を払われた俺は扉にぶつかって体制を立て直すはずが、ゆっくりと空いたドア。
目の前には目を丸くして驚いているA。
前にも同じことしたな。なんて考えながら俺は咄嗟に手を伸ばしAの頭を覆った。
俺と共に倒れたAはギリギリとつぶっていた目を開くとあまりの近さに口をパクパクとさせていた。
そんな実況ができるぐらい余裕があると思っていた俺も実際はそんなでもなくて絞り出した声は酷く焦っていた気がする。
退けようと体を少し起こすと普段とは違う位置から見るA。
チャイナ娘の服なのか、着ているTシャツは大きいのか白い肩が普通に出ていて、お風呂上がりなのかこの状況だからなのか赤い頬と目尻に貯まる涙。
いつもとは違うその雰囲気に思わず、抱きしめてしまう。
「ちょ、十四郎くん？！！」
いつもとは違うが謎にいい香りのする髪に顔を埋めれば最初は焦っていた声も時間が経つとともに俺の背中を撫でるまでになった。
沖田『おい、スグにそこをどけろ。マジで殺すぞ。』
銀時『なぁ、調子に乗りすぎじゃねぇかな？』
銀八『お前ら落ち着けって。』
高杉『…所詮ガキだな。お前らも。』
『『『あぁ？！！！』』』
そんな声が後ろでする中聞こえない振りをしている俺に「何かあった？」と声がする。
『別になんでもねぇよ。』
顔を上げながらそう答える。
「そっかぁ。私でよかったらいつでも話聞くからね。」
抱きつく俺の事が心配になったのかそう言ったAは照れ臭そうに笑った。
「おおっ…！どうしたどうした！」
必然的に赤くなっている顔を隠そうとまた抱きつけば今度はしっかりと背中に手を回してくれた。
『ごめん、ありがとな』
「ん、別に大丈夫だよ。」
またヘラっと笑ったAに、柄にもなく心臓が掴まれたように苦しくなった。
《これで惚れないやつは居ねぇな。》
《十四郎くん、何かあったのかな…。》
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彼岸花 - キュンキュンが止まりません！続きが楽しみです(^o^;)更新がんばってください。 (2017年11月10日 20時) (
レス) id: 7434979583 (このIDを非表示/違反報告)
小豆(プロフ) - カナさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。これからも頑張っていきます！ (2017年10月7日 21時) (レス) id: e304448554 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - すっごく面白いです！更新頑張ってください(*^^)v (2017年10月7日 17時) (レス) id: 2071840caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆 | 作成日時：2017年9月27日 15時
