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ちなみに、Aは今でもグルッペンに失言したら叩き斬られて骨も残らないのではないかと怯えている。エーミールとも話したいが、話しかけようとすると、顔を赤くしてどこかへ行ってしまうため、ろくに会話ができていない。鬱先生と話していると、すぐにトントンが割り込んでくる。
「話言うても、何がええかな。おもろい話やったら、大先生の過去掘り出せば掘り出すほどおおもろい話ばっかやで」
「確かに」
どんな話なのかとドキ ドキするAだったが、突然尿意に襲われた。先程の宴で少し飲みすぎた。2人に断りを入れて、部屋から出る。流石に、トイレまで着いてくる気は無いらしい。
我々組のトイレは、意外にも洋式で、綺麗な生け花がある。
「ふぅ」
トイレを出たAは、ハンカチで濡れた手を拭いていた。自室へ帰る途中、小部屋で話し声が聞こえた。組員の部屋の前なので、他愛もない話かと思ったが、そうじゃないらしい。
「組長の嫁…なんだっけ」
「ああ、AA。あの弱そうな女だろ？」
ドキンと心臓が大きな音を立てた。知っている。自分のことを好ましく思っている無いのが叔父貴だけじゃないことを。組員の中で不満を持っている者がいることも。それでも、実際に目の当たりにすると、色々と感情が乱される。極めつけには、組員しか居ないはずの部屋から、苦手なあの人の声が聞こえてきた。
「Aさん……堅気の割に肝が座って居るが……トントンには合わん。あの人が居ったら、トントンはダメになる。もっと良家の出じゃないと、俺は認めんぞ」
「ですよね、叔父貴」
「ああ。あの人は、いずれ家を追い出さにゃならん。それでトントンがキレようが、この家にもっといい女を嫁がせる。まぁ、組のことも知っとるし、トントンと離されて恨みを持つかもしれんから、適当に殺して、海にでも流せばええやろ」
「じゃあ、明日の夜にでもやりますか。叔父貴、トントンさんのこと引き寄せてください」
足が竦んで動けない。今、殺されようとしている。その事実だけがAをその場に縛り付ける。ゆっくりゆっくりと歩きながら、部屋の扉を開ける。
「おかえり〜もうそろそろトントンも戻ってくるってさ。なぁ、Aいい加減トントンに抱かれてやってもええやんか。アイツも我慢の限界やと思うで？好きな女に拒まれるのが、どれほど辛いか、お前には分からへんやろ」
「……ええ」
帰ってきたら、トントンに言おう。しかし、それで親子関係が悪くなったら。
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
