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「ただいま〜A〜寂しかったやろ？ん、顔暗いやん。どうしたん？まさかアイツらになんかされたん？」
コロコロと表情を変えてトントンが部屋に入って来る。充電のためだと、Aに抱きついて離れないトントンは、泣きそうな顔をして俯くAの背中を擦る。困ったように2人を見るゾムとコネシマは、俺ら、何も知らんで。と関わってないことを主張する
「あの、トントンさん。実は」
そこでAは、先程聞いたことをトントンに話した。自分のせいで親子関係が悪くなるのは嫌だが、死ぬのも嫌だ。
「……」
終始無言で聞いていたトントン。その手は、血が滲むほど強く握られており、怒りで痛覚さえも麻痺しているらしい。あまりにも理不尽な話に、ゾムやコネシマも表情に憤りを浮かべる。Aと関わるようになってから、１ヶ月程度しか経っていない。しかし、肩入れしてしまうほど、ゾムにもコネシマにとっても、Aは大切な存在であった。
大切な人の大切な人。そんな認識だったのに。決して組長の妻だと大きな顔をせずに、常に謙虚で周りへの気配りを忘れない。たまに見せる笑顔は、心臓を鷲掴みにされる感覚があって。
この2人でさえも怒っているのだ。Aを心から愛し、Aのためなら命を賭しても構わないというトントンは、一体どれほどの怒りを抱えているのか、想像しただけで恐ろしい。
「もう、分かった。親父は敵や。育ててくれた恩もあるが、俺の妻を。俺の大事なAを奪おう言うんなら、容赦はせん」
ようやく吐かれた言葉は、酷く重いものだった。
「シッマ。ゾム」
「何？」
「……墓と人を埋める為の穴用意しとけ」
「ああ。流石に俺も黙認できひんわ」
叔父貴は、世話になったから墓に入れてやるが、組員には恩も何も無い。せいぜい、山に埋められて蛆の餌になることだ。
「A……そんな顔せんといて。俺からAを奪おうとした制裁を加えるだけやから。せや、腹減ったやろ。シッマ、飯持ってきて」
「俺はお前の召使いちゃぞ、と言いたいとこやけど……Aのためや。行くぞ、ゾム」
「え、俺も？」
「夫婦の時間くらい、作ったれや」
珍しく空気を読んで、ゾムを連れて行ったコネシマの背を横目に、Aの後頭部に手を回すトントン。
「A……」
「どうしたんですか？」
「構って」
「お好きにどうぞ」
「ありがと」
幸せそうにフニャっと笑ったトントンは、ゆっくりAの唇にキスをした。
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
