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「男なんて単純な思考しとるからな」
「まぁ……よからぬ事を想像したのは分かりました」
呆れ顔でAが言うと、バレたか、とトントンが笑う。
「食器は洗っとくから。Aはくつろいどき」
「あの……一応、ここ私の家なんですけど。私やりますよ」
ポリポリとAが頬を掻く。相手が極道で、家に居るだけだとは分かっているが、何もかもやらせるのは、いたたまれなくなってくる。しかし、トントンはキョトンとした顔で平然と返す。
「嫁の家は、俺の家やろ？んで、嫁ばっかに家事やらせる訳にはいかへんし。むしろ、楽にさせたりたい」
「……ありがとう、ございます」
こういう男がモテるのだろうな。と遠い目でAは出そうになった言葉を心に留めた。トントンはサッサと洗い物を済ませて、ソファに腰掛けた。ポンポンと隣を叩いている。
隣に座れってことだろうか。
そう捉えたAは、おどおどしながらも、トントンの隣に座った。
「っはは、ええ子」
Aの肩に手を回して、優しい手つきで頭を撫でたり、首筋を撫でる。擽ったくなって、身をよじると愛おしそうにトントンの目が細められる。
「Aは可愛ええなぁ」
「なっ!?……おだてても、結婚しませんよ」
「本音やし」
拗ねるように俯くトントン。困ったなぁ、とAが眉を八の字にすると、ニッとトントンの口角が上がる。
「困った顔も可愛ええ。ホンマ、はよ籍入れよな」
「いや、だから……」
それ以上言うのももう疲れてしまって、Aは口を閉ざした。なぜだか、トントンの声は眠くなる。瞼が閉じてきそうになっては、太腿を抓って起きようと頑張る。スマホを触っていたトントンも、しばらくしてその様子に気づいた。
「寄っかかってええよ」
グイッとトントンがAの頭をトントンの肩に乗せる。身長的に、少し高い気もするが、睡魔には勝てなかった。
「お借りします……」
「ん、おやすみ」
すぐに眠ってしまったAを見て、余程疲れているのだろうと、目の下をなぞる。時々上げる掠れた声に、トントンは優しい表情を浮かべる。組と電話をするために、少し体制を変えると、どこかへ行ってしまうと思ったのか、Aの手がトントンの黒い上着を掴む。
「あぁ、もう……可愛ええなぁ……!!!」
口元を押さえて、目を瞑るトントンは今にも昇天しそうだ。しかし、通話が繋がり、電話越しに聞こえた渋い声にトントンは現実に戻された。
「トントンか？」
「……叔父貴。久しぶり」
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
