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「A」
「勝手にレディの部屋に入るなんて、最低だと思うわ。グルッペン」
彼の帰還に驚きもせず、当然だという様子で接した彼女はベッドから半身だけを起こして膝の上に顎を乗せてグルッペンを目で射抜く。
「お前のおかげで戻ってこれた。ありがとうな」
「私は何もしていないわ。シャーデンフロイデを抱える女は英雄にはなれないの。今は何時かしら」
「もう昼や。ロボロが後でこの部屋に昼食を持ってきてくれるらしいぞ。……それと、お前の性格の悪さは個性だ。他人の不幸を好む者でも、英雄にはなれると思うぞ。お前のこれが、その証だろう」
グルッペンは麻袋に入った10を超える勲章を突き出す。今まで彼女が得てきたものだ。彼女のスパイとしての実力。
「ああ、それ。欲しいならあげるわよ？売れば高値がつくかしら」
「でも、売らずに取っておいたのだから、理由があるんやろ」
「……馬鹿も嫌いだけど、察しがいいのも嫌いだわ。従順な男は好き。扱いやすいもの」
「じゃあ俺は一生お前の好みにはなれないな。一方的に愛すだけになる」
「光栄だわ。私は貴方に下げる頭を持っていない。それでもいいかしら、グルッペン」
「お前らしいと笑ってやろう」
グルッペンはもう一度礼を言い、彼女の頬にキスを落として部屋を出て行った。ロボロが来るならば、もう少し身支度を整えておこうと着替えを済ませて髪を梳かす。
「A、入るで」
「どうぞ」
「飯〜」
「あら、ありがとう。一人のご飯は寂しいわ。付き合って」
「……かまへんけど、」
ロボロの顔は雑面で見えないが、耳が真っ赤だ。もう見なれた反応。行儀よく昼食を口に運びながら、ロボロと談笑する。ロボロは椅子の背もたれを正面にして座り、Aが食べる姿を眺めている。
「食べ方も綺麗なんやな」
「P国で仕込まれたのよ。スパイってのは、レストランの給仕に変装する事もあるの。マナーを知らない給仕は高いところでは働けないわ。頭が悪い人は、会計士には変装できないわ。そして、容姿が悪い女は、男を秒で落とせない」
「A、彼氏居たことある？」
「沢山居たわよ。全員偽物だけれど。コネシマもその1人」
「お前の初めてを奪ったのは？」
「さあ。興味の無い人間の顔と名前は覚えない主義なの」
食事を終えると、彼女は目を細める。ロボロを値踏みするように。突き刺すように見られても、ロボロは不快感を抱かずに、むしろ心臓が高鳴っていた。どんな表情でも、彼女は最高の美女だ。
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名無していう名前の名無し - しゅ、しゅきれぇしゅ‥‥‥。翻訳 やっばばばばば、ワイのドンピシャｷﾁｬｰーーーーー神すぎる‼︎‼︎好きです‼︎‼︎。 (8月11日 15時) (
レス) @page50 id: cfc3f2d0fe (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - スッゴい面白かったし最高でしたぁぁぁ!!!まじで神ですね!!!! (2022年12月10日 13時) (レス) @page48 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！かわいい愛のお話だったなあとしみじみ感じております。ありがとうございます。ひよこの子様の作品の主人公ちゃんってみなさんお可愛いですし生き方に尊敬してます。ありがとうございます。体調にもお気をつけください。好きです。 (2022年9月25日 10時) (レス) id: 0350dafbfb (このIDを非表示/違反報告)
みずき - ん“ん”ん“！！！ック…！どう”どい“！！完結おべでどうございまず！！(泣) (2022年9月25日 2時) (レス) @page45 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - むむさん» 教えてくれてありがとうございます、これから気おつけますm(*_ _)m (2022年9月25日 0時) (レス) id: 07b6abd3f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年9月14日 17時
