2人だけの秘密【shp】（かおろん） ページ19
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時刻は22時。
話題の俳優やら人気のお笑い芸人やらが出ているバラエティ番組を見ていた。
正直何がいいのか分からないから、ごちゃごちゃと音を立てる画面を見ているだけに等しい。
まだ寝るには早いし、宿題だって終わっている。勉強はやる気が起きない。
不意に、通知音が鳴った。
スマホの画面を見ると差出人は幼馴染のショッピ。外、とだけ簡潔に表示されている。
少女漫画みたいだと思いながらカーテンと窓を開けた。
「何か用？」
「海！行こうや！」
突然すぎて思わず固まってしまう。
いきなり家に来て海に行こうと言うのも意味が分からないし、雪は降っていないとはいえ今は冬。
ショッピは寒がりだから、余計に意味が分からない。
そこで気が付いた、ショッピの隣にある物に。
「〜っ、1回上がって！」
窓を閉め急いで階段を下りる。
パジャマのままだったけど仕方ない。私のパジャマ姿なんて彼は見慣れているだろう。
そんなことを思いながらドアを開けると、学校で見ることのないキラキラとした瞳があった。
「お邪魔しまぁす。」
「…正気？怒られるよ？」
彼の隣にあった物。それはバイク。
小学生の頃からバイクに乗りたいと言っていた彼だから、免許を取ることは予想出来ていた。
ただ、高校生の内に取るとは思っていなかったから驚いてしまう。
「法律に違反してへんやん。」
「学校にバレたらとか考えない？」
「バレたらバレたやろ。」
けろりとした顔で言ってのけた脳筋な彼にまた驚かされる。
私たちの高校はバイクに乗ることは禁止されているのに。校則違反とか考えなかったのだろうか。
それに、バイクで事故を起こしてしまったら退学の可能性だってあるかもしれない。
「冬に海行く奴なんておらんやろ。だから海。これでチクられる可能性減らしてんねん。」
そこまで考えは回ったのに、私がチクる可能性は考えなかったらしい。
いいから、と彼のヘルメットと色違いのヘルメットを渡される。
「…え、私を共犯にしようとしとる？」
「これであんたはチクれないでしょ。」
どうやら、そこまで考えていたらしい。
「…もうお風呂入ったし、パジャマなんやけど。」
「入り直せばええやん。ワイまだ入ってないし昔みたいに一緒に入ってあげましょうか？」
「う、ざい！着替えてくるから待ってて！」
煽ってくる彼の言葉を聞きながらまた階段を登った。
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作者名：ひよこの子
x他8人 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年8月6日 18時
