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医務室にロボロを放り込むと、大先生は驚いた顔でペンを落としていた。そしてロボロが私に視線を落とすと大先生は私に気づき、何とか絞り出したようなか細い声で、トントンは？と。私は自嘲を含めた笑いを浮かべて首を振る。
「お仕事だって。びっくりー」
「……Aちゃん」
「暇だから私も仕事やる。ありがとう、あとは任せて」
私の代わりを務めてくれていたナースに告げて、私の椅子に座る。ロボロの手当は任せて、書類を漁る。
「あ、グルッペンに貰わなきゃ」
今日は休みだったんだ。忘れてた。慌てて医務室を飛び出す。ふと、ロボロの傷を思い出して訓練場に寄った。もしかしたら、ゾムも怪我しているかもしれない。
ガチャっと訓練場の扉を開けて、ゾムを探していると、銃弾が飛んできた。普通なら、ここで誰かがナイフか何かで弾いてくれるが、私には無い。何故ならば、誰も気づいてくれないから。
銃弾は私の左肩を貫いた。蹲って、声をあげると皆が気づく。
「A……!!!」
「嘘やろ、なんで!?」
「居ったん!?」
「クッソ……!!」
「………………シッマは？」
第一声がこれとは申し訳ないが、彼が居たならこうはなっていなかった。
「シッマなら、今便所行っとるけど。それより、怪我!!!」
「誰や、Aに当てたの」
ギロッとシャオロンが兵士たちを見回す。
「……っ、多分誰も分かりませんよ。銃弾なんて何発も撃ったし、ましてや当たったのが、Aさんだ。誰かなんてわかるはずがない」
「アーシャさんならわかったんだけどな」
チクチク。痛いなぁ。笑っているけど、とっくに心なんて壊れている。私の姿がコネシマとロボロに見えているのは、心が無いからかもしれない。トントンも自分で心壊れているって言ってるし。
「A、揺れるけど我慢して」
「え、チーノのは乗り心地悪いやろ。俺にしません？Aさん」
「誰でもいいから、早く連れてって」
「あ、」
医務室に救急搬送されて、大先生の丁寧な治療を受ける。
「トントン、来てくれないなぁ」
夜中になっても見舞いには来てくれなかった。皆、寝ている。今、私が抜け出したところで誰も気にしない。ソっと医務室を出てトントンの部屋の前を通ると、楽しそうな声が聞こえた。トントンと、アーシャの。もう、限界だ。
私は、無我夢中に走り出して屋上に出て行った。トントンとのペンダントを、投げ捨てて。遺書くらい書いた方が良かったかな。
目に涙を浮かべて、私は空に身を投げた。
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キリス(某教祖様)(プロフ) - え…好き♡ (1月15日 21時) (
レス) @page50 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 笑いあり涙あり感動あり。正にこの作品のためにある言葉だなと感じました。優しい時間をありがとうございます、この作品の彼等に出会えて良かったです。あとがきを読んでより一層、素のアーシャが好きになりました。また会えるといいなぁ (11月7日 4時) (レス) @page50 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
セエレ(プロフ) - なんだこの神作！？と思ったらまさかの推し作者様という奇跡。話の持ってき方が上手すぎる…文章力が凄すぎて作品引きこまれすぎて今泣きそうです (9月18日 23時) (レス) id: b81e176fb0 (このIDを非表示/違反報告)
しんし - お見事でした！！！アーシャにはぜひ子供になって欲しいです､､今まで見た中で1番読み応えがありました！ (5月13日 2時) (レス) @page50 id: ced92b552c (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品もまじで!最高でした!最初はtnさん嫌い!ってなっててつぎにアーシャなんなん?最後はおめでとー!!!!ってなりました!また一気読みしちゃいましたよーでも最後アーシャ好きになっちゃいました!憎めないですよ! (2022年12月8日 18時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年3月28日 18時
