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「ロボロ。今日私ね、トントンとデートするの」
「良かったな」
「うん」
包帯を変え終わり、ロボロと少し雑談をしていると、ソっと扉が開けられた。小さな花束を持って立っていたのは、アーシャだった。
「ロボロさん、お怪我大丈夫ですか？」
「ああ。心配してくれとんの？ありがとうな」
「はい！ずっと心配で！生きてて良かったです！ロボロさんの生命力が強いおかげですね」
「いや、大先生やA、それから救護班の皆のおかげやで」
「ありがとう」
アーシャは少し苛立った様子で私の方を見たあと、ロボロに花束を渡す。
「サフランか、綺麗だね」
「A、よう分かったな」
「誰が中庭の花を手入れしてると思ってんのよ」
「せやったな」
そろそろ業務終了時間だ。すると、大先生がやって来た。
「Aちゃん。ロボロの飯の事は俺に任せて、デート楽しんでき」
「ありがとう」
ピクっとアーシャが反応した気がした。過剰になっているのだろうか。1度部屋に戻ってうんとオシャレした私は、トントンの部屋を訪れる。
「おう」
「……っ、似合ってる」
トントンも今日は、しっかりと私服で来てくれた。眼福だ。イケメンがオシャレすると更にイケメンになる。2人手を繋いで、軍基地を出る。
「どこの夜景見る？海側の方行くか？」
「そうだね」
さりげなく車道側を歩いてくれたり。いいなぁ、と屋台を見ていたら惜しげなく買ってくれたり。寒いと言ったら、ポケットの中に手を入れてくれたり。
彼氏らしいことをしてくれるこの時間、とっても幸せだ。でもそれと同時に、前にアーシャにも同じことをしたのだと思うと悲しくなる。
「綺麗だね」
「せやなぁ。そろそろ汽笛鳴る時間ちゃう？」
我々国のこの港では、夜の10時に必ず汽笛を鳴らす。2人でベンチに座って、屋台で買ったたい焼きを食べながら夜景を楽しみ、汽笛を待つ。
「A。それ1口ちょうだい」
私のはクリーム。トントンは面白そうだから、とソーダ味のたい焼きという物凄い組み合わせのものを食べていた。
「いいよ」
トントンは遠慮しているのか、1口にも満たない量を食べた。
「もっと食べなよ。遠慮しないで」
「優しいな。ありがとう。Aも食べや」
「え、あー、じゃあ食べる」
トントンのを1口貰ったが、それはそれは中々酷い味だった。
「ぅ〜合わない」
「っはは、その顔が見たかってん！」
「意地悪」
この幸せが、ずっと続きますように。ちょうど鳴った汽笛に祈った。
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キリス(某教祖様)(プロフ) - え…好き♡ (1月15日 21時) (
レス) @page50 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 笑いあり涙あり感動あり。正にこの作品のためにある言葉だなと感じました。優しい時間をありがとうございます、この作品の彼等に出会えて良かったです。あとがきを読んでより一層、素のアーシャが好きになりました。また会えるといいなぁ (11月7日 4時) (レス) @page50 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
セエレ(プロフ) - なんだこの神作！？と思ったらまさかの推し作者様という奇跡。話の持ってき方が上手すぎる…文章力が凄すぎて作品引きこまれすぎて今泣きそうです (9月18日 23時) (レス) id: b81e176fb0 (このIDを非表示/違反報告)
しんし - お見事でした！！！アーシャにはぜひ子供になって欲しいです､､今まで見た中で1番読み応えがありました！ (5月13日 2時) (レス) @page50 id: ced92b552c (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品もまじで!最高でした!最初はtnさん嫌い!ってなっててつぎにアーシャなんなん?最後はおめでとー!!!!ってなりました!また一気読みしちゃいましたよーでも最後アーシャ好きになっちゃいました!憎めないですよ! (2022年12月8日 18時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年3月28日 18時
