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翌朝、オスマンはAを起こさないように布団を抜け出し、食堂へ行く。今日は珍しくAの仕事が無い。拷問する人が居ないという事なので、喜ぶべきことだ。昼頃まで寝ていたAは、ムクっと起きて、クルっと部屋の中を見回す。
「……あれ」
昨晩まであったはずの温もりが無い。オスマンが仕事に行ったのだと分かると、シュンと落ち込む。しばらくしてベッドを出て、軽くベッドメイキングを済ませる。
自室に戻って軍服に着替える。仕事じゃないとはいえ、軍にいる以上は示しをつけるためにも着る。今日はゆっくりできると、ニンマリ笑って、本棚から読みかけの本を取る。Aの部屋は日当たりが悪いため、そのまま本を持って中庭へ行く。
中庭は、裏庭と比べたら日当たりが悪いが、動物が居ないため、落ち着いて本を読める。Aの噴水の前にあるベンチに腰掛けて、栞の挟んであるページを捲る。
「おい、ロボロ。あれ、Aちゃうか？」
「ホンマや。何読んどるんのやろ」
「男の誘い方とかちゃう？知らんけど」
「覗く？」
「っは、どうでもええわ。って……チッ」
突如コネシマは舌打ちをした。その視線の先には勿論A。コネシマの怒りは、Aの首に付いているキスマークのせいだ。
Aが男と遊んでいると噂されているから、幹部がやっていいのならと調子に乗って女遊びが激しくなった。それを取り締まっているのは各部隊の隊長であるとも知らずに、未だに遊ぶAが嫌いだ。目障りだ。
考えるよりも先に、体が動いていた。
バシャーン！と大きな音がする。ロボロが目を見開き、近くを通ったエーミールが慌ててトントンを呼びに行く。
Aは、噴水に突き落とされた。
「冷たっ。コネちゃん、何するの？」
「穢れた体を洗ってあげてん。優しいやろ？」
「ねぇ、コネちゃん。意地悪しないでよ。本が濡れて読めなくなっちゃった」
「お前、風紀乱してんねん。俺らが何度言っても直らんのは、お前のせいや！」
「だから、グルッペンに」
「お前が男遊びを止めりゃええねん」
コネシマは、Aの胸ぐらを掴みあげると、噴水から引っ張りあげて地面に放り投げる。幸い、中庭の地面は芝生であるため、怪我は無い。
「読みかけだったのに。コネちゃん酷いよ」
「…」
「……この本、グルッペンが貸してくれてたの」
「っ、分かった。題名教えろ。買うて来たるから」
「自分でグルッペンに言ってよ」
結構怒っている。コネシマは、唾を飲んだ。
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
