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カーテンを閉めたAは再びデスクに向かう。エーミールの寝息が聞こえてきてホッと一安心し、報告書を作成。一通り作業を終えたAは、グルッペンに書類を渡すべく立ち上がる。
「グルちゃん、入るよ」
別棟の1階にある医務室から、本棟の5階まで渡り廊下と階段を上がって向かわなければいけないので、運動不足のAは息切れをして総統室の扉を叩く。
「入れ」
グルッペンの声で中に入ったAは、書類をグルッペンの顔面に投げつけて何百万もするソファにふんぞり返る。
「そろそろエレベーターの導入をご検討頂きたい。総統閣下」
「何をそんな怒ってんねん」
「Aにとってあの階段は辛いんちゃう?」
「あ、マンちゃん。居たの」
真正面に座るオスマンに気づいたAは、少し口角を上げる。
「ねぇ。抱 きたい女ってどんなの?」
「まだ言うてんのか」
呆れ顔で言うグルッペンに中指を立てるA。
「不敬やぞ!」
「黙れカス」
ここまでぞんざいな扱いを受けるトップも珍しい。慣れているグルッペンは角砂糖を貪りながら、Aに提案する。
「メイド服でも着ればええやん」
「っはぁ!?超天才」
白衣からメモを取り出したAはグルッペンの意見を書き留める。
「逆バニとかは?」
「それは攻めすぎちゃう?」
「何それ」
「……そのままでええんやで。A」
何か理解していないAだが、とりあえず「ぎゃくばに(?)」とメモに書く。
「グルちゃん。糖尿病になっても助けないよ」
「うるせぇ。脳みそ使ってんだから食っても消費されんだよ」
「やめな、その理論」
そう言いつつも、デスク上の瓶に入っている角砂糖を1つ掴んで口に入れたAは顔を顰める。
「あんまっ」
「……そろそろ3時か。俺街で3時間並んでゲットした超高級菓子あるんやけど。食う?A」
「俺も誘えよ」
オスマンはAの肩に腕を回してそのまま部屋へ連行する。
「待て!」
慌ててグルッペンも席を立ち、2人を追う。部屋に残されたグルッペン専属SPは、胃を抑える。自由奔放な主に振り回され続けた彼は、現在胃を患っている。医務室の常連であり、よくAに世話になっている。
「んで?メイド服ってどこに売ってんの」
「俺持ってるで」
「なんで?」
引いた顔のAを見て、グルッペンは弁明する。
「俺がガキの頃の世話役のや!!俺の趣味ちゃうからな!?死んだから俺が持っとるだけや」
「あ、何、故人の物?……着づらいわ」
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けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品もまじで最高でした!!!!他の作品もみるのはもちろんお気に入り登録もしときました!もう最高でした!!もう言葉にならないです!!!!! (2022年12月11日 9時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
一条なつき(プロフ) - めちゃくちゃ良かったですひたすら鼻水ズルズル涙ドバドバで読ませて頂きました!! (2022年10月7日 2時) (レス) @page45 id: 10435debae (このIDを非表示/違反報告)
黒輝 雷音⚡ - 途中emさんが舌打ちしながらカーテン閉めるのでめっちゃ爆笑しちゃいました!(笑)めっちゃ面白い作品でした! (2022年9月26日 2時) (レス) @page45 id: a7e2765b25 (このIDを非表示/違反報告)
這い寄る脅威(プロフ) - ピくんーーーーー!!!www (2022年8月29日 0時) (レス) @page49 id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
コム@スランプなう(プロフ) - 夢主可愛い…zmさんッ!僕にもその子貸しt)))←おまわりさーんこいつでーす 番外編ちょくちょくかいてくれるの嬉しいです😊 (2022年8月28日 13時) (レス) @page49 id: 0ee0aa5caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年8月1日 20時