20 ページ20
「それは残念だ。…グルッペン殿か?」
「いいえ。彼にはもっと相応しい人がいます」
「……大したものだ」
生々しい話をしながらも、2人のダンスは会場の皆の目を引いた。ゾムも嫉妬しきれない程に。
「では」
「ええ」
その場で別れ、席に戻る。
「疲れた…運動不足には、辛すぎるよ」
「素晴らしかった」
「A……綺麗やった」
「っはは、ありがと。ごめん、ちょっとお手洗い」
「あ、俺も着いてくで」
「ゾム。貴方はグルッペン・フューラーの護衛でしょ?離れちゃダメ。自衛くらいできるよ」
「…うん」
尤もなことを言われて、反論できずにグルッペンの元へ行ったゾム。Aは会場を出て、同階のトイレに入った。我々国でも有数のホテルでの開催。トイレの内装も酷く凝っており、Aは感嘆の声を漏らす。
会場に戻るまでの廊下を歩いていると、グイッと腕を掴まれた。
「わお、」
「貴方…我々国のAさん?」
Aの腕を掴んでいるのは、長身の綺麗な女性。更に同じような女性3人に囲まれたAは思わず身構える。
「どちら様ですか。私に何用ですか」
「私たちは、今日の参加者のパートナー。貴方もグルッペン様のパートナーでしょ?」
「ええ、まぁ」
すると途端に彼女達は目付きを変える。Aはこの目を知っている。前にスティアに向けられた醜い感情から生まれた悪意の籠った目だ。
「あの噂本当?幹部達全員と夜の相手してるって」
「……はい?」
「まぁ、普通にそうよね。たった1人の女性幹部だもの」
「夜の相手要員で幹部になったんじゃないかしら」
「それとも賄賂?」
「ここはそんな汚い女が来る場所じゃないのよ?」
「あの護衛の幹部さん、とてもイケメンだけど、あの人とも?汚らわしいわ」
(処女なんだよなぁ……いやぁ、ある程度地位のある女性ってやっぱり怖いや)
「このまま幹部続けてたら、貴方のせいで我々国の品位が落ちるわよ?」
「っ、すみま」
「おい」
聞き慣れ声がして振り向けば、静かに怒るゾムと、無表情で腕を組んでいるグルッペンが居た。
「っは、グルッペン様!幹部様も」
目をハートにする女達を睨みながら、ゾムはAを守るようにAの前に立つ。
「お前らは、グルッペンがそんな女を幹部にするうつけやと思っとるのか?あと、コイツは俺の未来の妻や。侮辱すんなら、俺も相応の対応するで」
「……嘘」
「A。あんなのに、謝らんでええ」
珍しくグルッペンも怒っているようだ。
1455人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品もまじで最高でした!!!!他の作品もみるのはもちろんお気に入り登録もしときました!もう最高でした!!もう言葉にならないです!!!!! (2022年12月11日 9時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
一条なつき(プロフ) - めちゃくちゃ良かったですひたすら鼻水ズルズル涙ドバドバで読ませて頂きました!! (2022年10月7日 2時) (レス) @page45 id: 10435debae (このIDを非表示/違反報告)
黒輝 雷音⚡ - 途中emさんが舌打ちしながらカーテン閉めるのでめっちゃ爆笑しちゃいました!(笑)めっちゃ面白い作品でした! (2022年9月26日 2時) (レス) @page45 id: a7e2765b25 (このIDを非表示/違反報告)
這い寄る脅威(プロフ) - ピくんーーーーー!!!www (2022年8月29日 0時) (レス) @page49 id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
コム@スランプなう(プロフ) - 夢主可愛い…zmさんッ!僕にもその子貸しt)))←おまわりさーんこいつでーす 番外編ちょくちょくかいてくれるの嬉しいです😊 (2022年8月28日 13時) (レス) @page49 id: 0ee0aa5caa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年8月1日 20時