16 ページ16
「痛いね……」
「何してんねん!!!!」
幹部が慌てるが、Aはへらっと笑う。
「意識あるし、動けるし。致命傷じゃないから大丈夫。スティアはもう意識無いか。ゾムで耐えられないんだし当たり前か」
「とりあえずお前は医務室行け。ショッピ君とチーノは、スティアをナースに洗わせてから牢屋にぶち込め」
「はーい」
「嫌やわぁ……」
「A。肩貸すで」
「ありがとう、ロボロ」
Aと同じくらいの身長のロボロがAに肩を貸す。ヨタヨタと歩くAに痺れを切らして、抱き抱える。
「……ゾムにバレたら怒られそうやわ」
「事情知ってたら、平気でしょ。……私ゾムに謝んなきゃ」
「アイツなら、絶対お前を信じる。安心せえ」
「うん。……ごめん、ロボロ。早歩きで行ける？結構痛い」
「はよ言えや！！！」
ロボロは全速力で走る。だが、Aにあまり振動が来ないあたり、考えてくれているのだろう。ロボロはAを医務室に連れていくと、救護班に事情を端的に話す。
「ありがとうございます。ロボロさん。……で、A先生は何をしているんですか？」
「ごめぇん」
「ゾムさんがずっとAさんの心配してて、さっきからずっと治ったから行かせろとうるさいんです」
「……麻酔打っときな。私は縫合だけでいいよ」
「……全く貴方っていう人は」
救護班の男は、呆れ気味にAの治療をした。治療を終えたAは、ゾムが眠っている療養室に向かう。
「ゾム!!!」
「A……!!!」
「ごめんね、あの、どこから話せばいいか」
「ロボロから全部聞いたで。Aも、辛かったやろ。カッコイイな、お前は1人で解決したんやろ？ロボロがべた褒めしとった」
「っへへ」
「でも、自分で自分刺したのは意味が分からへん。何をしとんの？」
急に上げて落とされて、Aは落ち込む。そんなの関係なしに、ゾムは1時間に及ぶ説教をした。
「ごめんなさい」
「分かればよし。んで、エミさん、まだ起きとる？」
「起きてるで〜いや、災難やったな2人とも」
「他人事やな」
「あっ、すんません」
なんてやり取りを見ていたら、眠くなってきた。部屋戻らなきゃ、とAが踵を返すと、ゾムが後ろから抱きつく。すかさず察したエーミールがカーテンを閉める。舌打ちを残して。
「行かんで。一緒に寝よ」
「うん!!!」
Aが怪我しているという事実は、ゾムに絶対に理性を崩さないという自信を与えた。
「可愛ええ。無事で、良かったわ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1455人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品もまじで最高でした!!!!他の作品もみるのはもちろんお気に入り登録もしときました!もう最高でした!!もう言葉にならないです!!!!! (2022年12月11日 9時) (
レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
一条なつき(プロフ) - めちゃくちゃ良かったですひたすら鼻水ズルズル涙ドバドバで読ませて頂きました！！ (2022年10月7日 2時) (レス) @page45 id: 10435debae (このIDを非表示/違反報告)
黒輝 雷音⚡ - 途中emさんが舌打ちしながらカーテン閉めるのでめっちゃ爆笑しちゃいました！(笑)めっちゃ面白い作品でした！ (2022年9月26日 2時) (レス) @page45 id: a7e2765b25 (このIDを非表示/違反報告)
這い寄る脅威(プロフ) - ピくんーーーーー！！！www (2022年8月29日 0時) (レス) @page49 id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
コム＠スランプなう(プロフ) - 夢主可愛い…zmさんッ！僕にもその子貸しt)))←おまわりさーんこいつでーす 番外編ちょくちょくかいてくれるの嬉しいです😊 (2022年8月28日 13時) (レス) @page49 id: 0ee0aa5caa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年8月1日 20時
