【d!】大嫌いやねん【2】 (ページ10)

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リクエスト:バレンタインページ10

今日は、バレンタインデー。外では、雪がしんしんと降り積もっている。そんな中、我々国軍本部では、ある女からのプレゼントに浮かれまくっている男が2人程居た。

「皆さん。今日はバレンタインと聞いたので、シェフの方々のお力を借りながら、チョコを作ってみました」

嬉しそうに幹部にチョコを渡すA。皆は、その尊さに天を仰ぐ。そして、ショッピとコネシマは、皆とは違うラッピングの袋を渡された。

「お兄ちゃんとショッピさんのは、特別！」

「俺の両親。Aを産んでくれてありがとう。ええ子に育ったで」

「はぁ、かわ。俺の妻が世界一」

遠目にその様子を見ていた幹部らは、もぐもぐと手作りチョコを食べながらドン引きする。

「やっぱり、Aは俺のことが世界で1番好きやから、その分チョコも大きいよな！」

ハート型のチョコを持って、コネシマはショッピを嘲笑う。普段ならそれを軽く返しただろうが、聞き捨てならない言葉が聞こえた。

「はぁ？馬鹿なこと言わんといて貰えます？俺の方がどう見たって大きいでしょ、目ぇ悪いんとちゃいますか？あと、Aが世界で1番好きなのは俺です」

「見せてみぃや。比べたるから」

机に並べられたチョコの大きさは、変わらない。なぜなら、Aは同じ型でチョコを作っているからだ。しかし恋は盲目。2人は自分の方が大きいと信じてやまない。

「Aは、兄である俺のために、このチョコを作ってくれてん。オマケのお前が俺よりデカいはずが無いやろ！」

「夫である俺のために作ったんです。兄の方がオマケに決まってるやん。俺のチョコ、見てくださいよ。チョコペンで大好きって書かれてんねんで？何も書かれてへんアンタが、Aへの愛語らんといて貰えます？」

「俺の方はクッキー入っとったし!!」

「んなっ!?A!!!どういうことや！俺の方が好きなんとちゃうんか？」

Aの所にすっ飛んで行ったショッピに、普段のクールさは欠けらも無い。Aは、グルッペンに追加のチョコを渡しながら、ウザそうにショッピを見る。

「お兄ちゃんは、チョコとか好きじゃないっていう記憶があったんで。比較的甘くないクッキーをついでに入れといたんです」

「ですってよ。残念でしたね、コネシマさん」

しかし、コネシマにその言葉は届いていない。

「Aが覚えててくれた…もう、俺これ食わんわ」

「腐るからやめて。食べないなら返して」

「で、結局どっちが好きなん？」

「…どっちも」

「「可愛い」」