【d!】大嫌いやねん【2】 (ページ23)

今日:16 hit、昨日:44 hit、合計:108,046 hit

番外編:君のためページ23

今日、我々国の基地内は忙しかった。何故ならば。コネシマの誕生日だから。それなのにAは、少し浮かない顔をしていた。

夕飯時、現れたコネシマを、皆は盛大に祝った。コネシマは、少し照れくさそうに笑っていつもの席に着いた。

「シッマ、拝みながら食えよ？今日のケーキ、Aの手作りやからな！」

ゾムが言うと、コネシマはダバッと涙を流す。ショッピと話をしていたAは、突然泣き出した兄を見て酷く驚く。

「A……ありがとうなぁ、」

「うん。お誕生日おめでとう、お兄ちゃん。生まれてきてくれてありがとう」

「A!!!」

ギュッと抱きついたコネシマは、ケーキよりも先に、Aに小さな箱を渡す。瞬きをするAに対して、コネシマは爽やかに微笑んだ。

「今日は、Aも誕生日やろ？また大人になったな。生まれてきてくれてありがとう」

「覚えててくれたんだ、」

「当たり前やろ」

さて、困るのは幹部たちだ。Aの誕生日など知らなかった皆は、何も用意していない。勿論、ショッピも。皆は一斉にAに謝るが、Aは大して気にしていない。

「大丈夫ですよ、慣れているんで」

「え、どういうこと？」

「バリ美味い!!!A、店出せるで！……ってなんやって？」

シャオロンが疑問を口にすると、A手作りケーキのクリームを口周りにつけたコネシマが顔を上げて、渋い顔をする。

「俺と誕生日被ってるから、Aは糞共に祝ってもらえてへんねん。いっつも、俺ばっかり。でもな、俺は毎年祝っとったで」

「ええ、お兄ちゃんは、誕生日プレゼントをくれたり、ケーキを分けてくれたりしました」

酷いことをしてしまったと、皆は猛省する。会はお開き。コネシマは大量のプレゼントを抱えて、部屋に戻った。Aもショッピとの部屋に戻り、ポツポツと話をする。

「A、誕生日おめでとう。知らんくてごめん。知ろうとしなくてごめん」

「いいんですよ。誕生日なんて、ただ生まれた日なだけじゃないですか。私は、そういうの気にするタイプじゃないんで」

「いや、俺の気が収まらん。プレゼントは後で用意するから。でもやっぱプレゼントは当日よな」

そのショッピの悪い顔と言ったら。Aは鳥肌が立って仕方が無かった。

「今日の夜は、Aに主導権握らせたる。俺の事好きにせぇや」

「……ぇ」

「ほら、はよ脱がせてよ。なぁ」

「セクハラです！」

後日、Aは部屋に入り切らないほどのプレゼントを貰いました。