【d!】大嫌いやねん【2】 (ページ19)

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リクエスト:夫婦喧嘩ページ19

きっかけは些細な事だった。それから、ヒートアップして、休み中の休憩室だということも忘れ、互いに声を張り上げて言い争いをしていた。

「もう、限界やねん！」

「貴方が言えることじゃないです。いつも我慢しているのは、私なんですよ？」

「Aは楽でええよな。俺なんか毎日訓練で疲れとるっちゅうのに」

「だから、私が全部我慢しなきゃいけないんですか!?ショッピさんこそ、訓練とか言って遊んでるだけじゃないですか！大した仕事してない奴が、一丁前に文句言わないで下さい！腹立たしいです」

そんな珍しい夫婦喧嘩の仲裁に入ったのは、コネシマだった。

「ショッピ君、謝れや～。Aが可哀想やろ！」

「は？他人が首突っ込まんといて貰えます？夫婦の問題なんで」

「あぁ!?関係あるわ。俺はAの兄ちゃんやもん。なぁ？」

「コネシマさんまで、そこの我儘姫の味方するんですか？」

「俺はいつだってAの味方や」

背後からAに抱きつきながら、コネシマはショッピに言い放つ。幹部の皆は、その様子をただただ眺めていた。この喧嘩は、どちらも悪いから。

「離婚しますか？」

「……っ、もう、お前なんか知らん」

ショッピは、左手につけていた指輪を外して机に叩きつけ、タバコを片手に部屋を出て行ってしまった。その後、その指輪を手に取ったAは、プクッと頬を膨らませたあと、コネシマの胸に顔を寄せる。

「冗談なのに」

「お前の冗談は、声の調子が変わらんからほんまか嘘か分からへんねんなぁ」

「お兄ちゃんは私が悪いって言うの？」

「責めてへんよ、A。うん、ショッピ君が悪かったな、せやせや。Aはなんも悪ないわ」

「お兄ちゃん大好き」

「離婚したら俺ん所来いや」

ヨシヨシとAを慰めつつ、今だけは愛する妹を独占できていることに喜びを感じるコネシマ。Aを膝の上に乗せて座ったコネシマは、優しく頭を撫でながら語りかける。

「なぁ、A。ショッピ君も悪かったし、Aも悪かった。互いに謝れば済む話やろ。多分、喫煙所や。行っといで」

いつもとは違う、大人っぽい意見に頷き、Aは部屋を出て行った。

「ショッピさん」

「……あ？」

「ごめんなさい。洗濯物ごときでムキになりすぎてました。……許してくれますか？」

「当たり前やん。俺の方こそ、言いすぎてごめんな」

ショッピは軽くAにキスをする。

「万事解決やな」

「黙れクソ先輩」
ーー
こんなのでよろしかったでしょうか……