【d!】大嫌いやねん【2】 (ページ18)

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リクエスト:天然娘ページ18

「これ以上、幹部に近づかないでくれない？」

「……なんでです？」

Aは、突然呼び出されたことに戸惑いつつ訊く。前にもこんなことあったなl、と天を見上げて。早く戻らないと、トントンに蹴られるんだよな、と般若のような顔のトントンを思い浮かべる。

「アンタを悪役に仕立てあげれば、ショッピ様も目が覚めるわ！」

そう言って、女はAの腰から愛用ナイフを抜いて、自身の肩を刺した。

「……えっ!?何してるんですか？」

困惑するA。

「キャーー!!!!助けて!!」
軍全体に響き渡るほどの甲高くて大きな声だった。間近で聞いたAはもう大変だ。耳の穴に指を突っ込んで、鼓膜の有無を確認している。その間に、ドタドタと幹部たちが集まってきた。女は、泣きながら、ショッピの足に縋り付く。それを見て、Aはムッと顔を顰める。嫉妬しているのだ。

「A様が、短剣で刺してきて！」

「……はい？」

「とぼけないで下さい！仕事できないクズは要らないって、刺したじゃないですか!!」

刺した理由が、本当にAが言いそうでまた恐ろしい。幹部たちは、Aじゃないことは分かっていたので、笑いを堪えるのに必死だ。何より、全く何が起きているのか分かっていないAの表情や行動が奇妙すぎるのだ。

「なんで、自分で肩なんか刺すんですか？多分……心臓貫くのが1番死にやすいと思うのですが。それともただの被虐趣味ですか？あぁ！頭が悪いのか」

言葉をオブラートに包めない。

「酷い!!助けて下さい、皆さん」

以外にも演技力が高くて、皆はまた吹き出しそうになる。

「A、ホンマにそんなことしたん？」

「そんなことして私に何の得があるんですか？私は人生合理的に動いています。利得の無い行為は避けたいですし。こんなことして皆さんからの評価を下げれば、最愛の夫に見捨てられ、幹部を外され、総統閣下の顔に泥を塗ったと指を指されて嘲笑され、ドブ水飲みながら死んでいくのは明白です」

「いや、重いわ。どんだけネガティブやねん」

Aはこういう女なのだ。これでAがやっていないことがハッキリして、女の立場が悪くなる。

「早めに治療した方がいいですよ。あと、今度オススメの死に方教えます。い言い忘れてた。仕事できていないのは本当なので、雑談よりも、仕事を優先すべきだと思います。では」

Aが去った後、コネシマとショッピは、黒い笑みを女に向ける。

「手ぇ出す相手が悪かったな」

有能セコム発動。