番外編:無垢な君を想ふ ページ40
「チーノ、Aさんが居る」
「ホンマや。何してんねやろ」
訓練を抜け出して喫煙しに来たショッピとチーノは、花壇の前にしゃがみ込んで一輪ずつ花の様子を観察しているAに声をかけるか否かを話していた。話せるものならば話したいが、近づいて怖がらせるようなことは避けたい。
「花束作ってへん？」
「そうっぽいな。……そういえば、あの花壇、Aさんが捕まってから誰も世話せんから全部枯れとったよな」
「あの人ら、Aさんの花壇やから故意に荒らしてたし」
前世の苦すぎる記憶を二人で悔いていると、花束を作り終えたAが立ち上がった。それと同時にチーノ達が視界に入ったのか、柔らかい笑みを浮かべて近づいて来た。
「ショッピ君、チーノ君。どう？綺麗じゃない？」
作ったの！と自慢げに見せる彼女が愛らしい。ショッピは目を細めると、ソっと彼女の髪を手に取って笑った。
「Aさんの方が綺麗っすよ」
「へ、急にどうしたのショッピ君。そういうこと言う子だっけ」
「事実です」
「Aさんに似合う花ばっかですね」
「チーノ君まで……どうしたの二人とも！変なものでも食べた？」
「本当のこと言っただけですよ。で、どうするんです？その花束」
「あ、これ？っふふ、グルッペンにあげるの。二人にもまた綺麗なのが咲いたらあげるね！じゃあ、ばいばーい！」
花束をギュッと抱き締め、大きく手を振りながら去るAに、二人はほっこりとした顔を浮かべる。
「癒されたな」
「こんなん午後頑張るしかないやん」
楽しそうに鼻歌を歌いながら総統室にやって来たA。それを見て一度手を止めたグルッペンは、不思議そうな顔を浮かべる。
「どうした？」
「私が管理している花壇あるでしょ？今日もお水あげてたら綺麗なのが数輪咲いてたから、グルッペンにあげようと思ったの」
少し照れたようにグルッペンに渡すと、彼は嬉しそうな顔を隠しもせずに受け取ると、Aを抱き寄せる。
「ありがとう。だが、なぜ俺に？」
「軍の中庭の一角に花壇を作ることを許してくれたのはグルッペンだし、この軍はグルッペンのものだから。一番最初に渡すのはグルッペンって決めてたの。すぐ枯れちゃう花ばかりだけど、今は綺麗でしょ？」
「ああ、凄く嬉しい。大切にする」
グルッペンは胸が痛んだ。こんなにも無垢で可愛らしい女を、虐げた上に殺してしまったのだ、と。だからもう一度謝罪も込めた感謝を述べ、二人で穏やかな午後を過ごした。
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みりんみそ - 性 癖が、、ワイのド性 癖、、、！！？？ (12月28日 3時) (
レス) @page35 id: 689708648d (このIDを非表示/違反報告)
白米の無い弁当 - やっべ何回でも見返せる(5回目くらい) (12月24日 0時) (レス) @page41 id: b86b104ca2 (このIDを非表示/違反報告)
あ - あ (11月16日 16時) (レス) id: 5439c0f871 (このIDを非表示/違反報告)
みるく亭 - アッアッアッアッ（過呼吸） 好き…！！ (11月9日 13時) (レス) @page35 id: 78d03dd0b2 (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - さいっこうでした…！！！あまりこういうのは好きじゃなかったけど、最後もハッピーエンドで終わって、めっちゃ良かったです！！！応援してます！ (2023年1月14日 9時) (レス) @page35 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年10月26日 19時
