【d!】無感情ナース2 (ページ8)

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「これ、痛みを伴うんですね」

タラリと落ちた汗と、苦痛に歪む表情が、どれほどの痛みかを物語っている。男は、愉悦に浸ってAを見ている。

「本当は、今すぐお前を殺したくてたまらない」

「ほう、殺してみろよ」

「仲間が殺してくれる」

Aの言葉に、爆笑が起こった。ゲラゲラと腹を抱えてAを笑う男達。

「ひぃ……面白ぇ……!!!仲間が来る訳無いだろ。お前はそろそろ死ぬんだ！あの幹部が助けに来る頃には、お前は地獄で泣いてんだよ!!そんな助かりようの無い奴、助けに来ねぇだろ」

「……どうでしょう。私の仲間は、私のように薄情じゃないので」

「っはは、キモ。それよりさぁ、痛いだろ。あの飴には、あの事件の時の拷問、いや、研究で開発したんだ。良かったなぁ、兄と同じものを口にできて。でもあの頃は粗悪品しかできなかったからなぁ、今の倍以上は辛かっただろうよ。ただ痛みを与えるためだけの飴だったからな。死ぬ事ができねぇんだ」

「……人間の屑が。私の上司もクズだが、お前のような性根の腐ったクズじゃなくて良かったよ」

地の底を這うような低い声に、思わず男達は腕を摩った。

そして、1時間が経った。

「死なねぇな？」

「おっかしいなぁ……なんででしょうねぇ??」

明らかに何かを知っている様子のA。問い詰めようと、ボスが足を踏み出した瞬間、倉庫の天井を破って、落ちてくる者が居た。

「トントンさん、コネシマさん、ショッピさん、鬱先生」

良かった、とAは胸を撫で下ろした。コネシマとショッピは、敵の数とAの位置を把握すると、ナイフを握った。

「トントンさん、大先生。俺らで道作ります」

「はよAのとこ行ったれ」

コネシマとショッピは、バッチリのコンビネーションで、敵を一掃した。トントンは、Aの拘束を切って、鬱先生に容態を見せた。

「……よく耐えたね。Aちゃん。……Aちゃん？」

鬱先生の問いかけに、返事は無かった。グッタリと横たわるAの姿に、皆は嫌な想像をしてしまう。

「A!!!」

「A！」

「……A……ごめん……」

「葬式ちゃうんやから。気ぃ失っとるだけや。ただ、危ないな」

鬱先生は、Aを抱えると、外へ出ようと提案した。

「何すんねん」

「吐かせる」

「……大先生やとA落とすやろ。ほら、寄越せ」

トントンは、鬱先生からAを貰い、倉庫の外へ出た。

「あんま見んのも可愛そうやと思うで。レディが吐くんやから」