【d!】無感情ナース2 (ページ6)

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56※訂正しましたページ6

「A。着いたで」

ペチペチとAの頬を軽く叩くと、Aは、んんっ゛と嗄声を上げて起きた。その声に少し顔を赤くしたトントンは、立ち上がって、Aの手を引いた。

「……確かに……あまり良い土地では無さそうですね」

電車を降り、駅の様子を見たAは、ポツリと呟いた。

ゴミ箱から溢れるゴミを漁るカラス。酔っ払いが自販機に寄りかかり、何やら呟いている。そして、虚ろな目で、そこら中を歩き回る人々。

2人は一瞬、三悪道にでも落ちたのかと錯覚した。薄暗い駅を抜けると、街の至る所に、虚ろな目の人が倒れている。Aは手遅れだと判断し、トントンについて行った。

「……ん？」

「どうしました？トントンさん」

「……アカン、伏せろ!!!」

何が起こっているのか分からず、Aが頭を下げる。その瞬間、頭上を弾丸が通った。サーッと血の気が引いていくのが分かる。

トントンが、腰元の剣に手をかけるが、四方を敵に囲まれてしまい、為す術なく意識を手放された。

「クソ……もっと訓練しときゃ良かった……」

トントンが気をやると、今度はAが狙われた。

「……我々に何か御用ですか」

「軍の人間は皆殺さなきゃなんねえんだ。向こうから来てくれるとは、手間が省けたよ」

そう言うと、Aの腹を3度程殴って、気絶させた。敵は、Aとトントンをトラックの荷台に投げ込み、発車させた。

「A!!!」

「……っ!?」

トントンの大声で起きたAは、目を覚ました。2人は、倉庫のような場所に監禁されていた。古い椅子に座らされ、両手両足を固定されている。トントンに至っては、力で壊せないように、鉄製の拘束具で固定されていた。

「おはよう。幹部共」

部屋に現れた男は、憎たらしげに言った。

「お前っ!!」

その男の顔を見て、トントンは目を開く。Aは、ジッと男を見つめている。何かを思い出しそうな気がしているのだ。

「我々国で起きた、爆発事件の主犯やんけ」

「……え？」

ポタリとAの汗が落ちる。トントンの言葉を聞いた瞬間、手の震えが止まらなくなった。

「ああ、よく知ってるな。有名だもんなぁ、基地のすぐ近くで起きた事件だし」

「……A？」

呼吸が荒い。瞳孔を開いたまま、汗を流して、男を見ている。

「その事件の内容って……罪なき人間を拷問して、その証拠隠滅のために、拷問した人間を爆破したって奴？」

「そうさ!!よく知ってるなぁ、嬢ちゃん」

「っ!!お前が……兄をッ!!!」