【d!】無感情ナース2 (ページ42)

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翌朝、Aはどこかスッキリとした顔で起きてきた。どうしたのかと聞けば、人生で初めて悪夢を見なかったとの事。本当に嬉しそうにはにかむA。

「良かったなぁ」

つい、背後から抱きついてしまったゾム。Aの力じゃゾムを支えることは出来ずに、前に倒れていく。

「危ない!!」

咄嗟にオスマンが支える。再び立ち上がったAの顔を見た2人は、キッと目付きを変えた。

「A……!!殴られたん!?」

「……ええ、まぁ」

青アザが出来た自分の頬を触るAは、痛みが走ったようで、顔を歪める。その様子を見て、ゾムが壁を殴りつける。どうやら、死体と1晩過ごしてしまっていたようで、鼻が異臭に慣れていた。視界に入った男達の死体を蹴飛ばして部屋を出た3人は、書記長の所へと向かった。

「アンドレス殿!!」

「おや、皆様……ってどうしたのですか、そのお顔」

驚くアンドレス。オスマンが事情を説明すると、土下座する勢いで、アンドレスが頭を下げた。

「私の部下が大変な失礼を……!!!!申し訳ございません!!!ですが……どうか、我が国を襲わないで頂きたい。金もなんでも渡します。同盟破棄も飲みます。ですから、そこだけはグルッペン総統閣下にお話を通していただけたら……」

「こちらもそのつもりはありません。では、お世話になりました。さようなら」

「騙してしまい、すみません」

今度はしっかりと、女性の姿で謝るAに、アンドレスは慌てて顔をあげるよう言う。

「では」

迎賓館を出た3人は、とっとと船に乗って我々国に帰った。帰りは、釣りを楽しみながら、休みを楽しんだ。

「最近Aが人間らしくなって、俺……嬉しいわ」

「分かる。……夜のこと、トラウマになってへんといいな」

現在、Aは釣った魚を調理している。どうやら出来たようで、美味しそうな香りが漂う。

「いただきます。……そういえばゾムさん。なんで、私が襲われているのに気づいたんです？」

不思議そうにAが尋ねると、ゾムは、人の気配がした。と常人ではありえないことを言い出した。

「Aの部屋から複数人の気配がしたから、急いでオスマン起こして凸った」

「……我が国の主力は恐ろしいですね」

同意するようにオスマンが頷く。

「多分、シッマ達も分かると思うけど」

ゾムの言葉に、オスマンとAは更に目を丸くするのだった。